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銀行系シンクタンク
緩やかな円高に進むものの物価高で株価の上昇余地は限定的
まず、為替相場から見ていこう。2022年は日米の金利差拡大により円安・ドル高に進んだが、23年のドル円相場は、緩やかに円高に進む展開を予想する。
主な要因として、米国で景気減速感が強まっていることなどから、23年の春先には金融引締めがいったん打ち止めとなる可能性が高まっている。そうなれば、日米の金利差拡大に歯止めがかかり、さらに、将来的に米国が「利下げ」に方針転換する展開を織り込むことで、円高に進むと予想される。
それでも、日米両国の金利差が拡大した状態は続くため、円の反発力にも限界がある。23年末は、1ドル=130円程度と、比較的緩やかな円高ペースにとどまろう。ただし、米国の物価高が沈静化するタイミングが遅れる場合には注意したい。そのときは追加利上げが実施されてドルが急騰し、再び150円程度まで円が下落する可能性があると考える。

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