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米国は引締めから緩和に転じ年後半にかけ「金融相場」で株高へ
2023年の世界の株式市場は、引き続き米国のインフレ動向や金融政策をにらんだ展開が続きそうだ。日本の市場を考えるうえで、米国の予想から説明しよう。
米国ではインフレ沈静化の兆しが見え、金融当局は利上げ打止めのタイミングを探っていると推察する。早ければ23年3月頃には追加利上げが停止する可能性があり、株式市場ではリスクを取る投資が活発化する「リスクオン」の情勢に進むと予想する。同時に、米国では特に年前半に景気が減速に向かうと考えられるため、企業業績の悪化が株価に影響するリスクがある。
5月頃に売りが相次ぐ「セルインメイ」や「夏枯れ」といった例年の季節性も重なって、春から夏場にかけては上昇しづらい展開を想定している。秋にかけては、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の悪化を受けて、市場で「利下げ」を催促する動きが強まると見る。23年10~12月期にも、米金融政策は利下げへと向かい、それが株価を押し上げる「金融相場」が実現しそうである。

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