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23年度から、新規融資では経営者保証が要求しづらくなりそうだ。

金融庁が、新規の融資契約で経営者保証の実質的な制限に踏み切る。2022年11月に公表した大手行・地域金融機関への監督指針改正案において、融資の契約時に経営者との保証契約も交わした場合は、経営者保証の仕組みや、必要となった理由、外せる要件――といったことを説明したという記録を金融庁が監督すると盛り込んだ。

ただ、案件ごとにすべて説明して記録しておくのは金融機関にとって重い負担となるため、実質的には経営者保証を制限する趣旨の改正であると見られている。金融庁は、経営者保証を不要とすることで経営者の資金調達環境を改善する考えだ。監督指針の適用開始は2023年4月からの予定となっている。

経営者保証を不要とするかどうかは、基本的には、「経営者保証に関するガイドライン」を基準として各金融機関が融資案件ごとに判断する。この仕組みは、従来の融資慣行と基本的に変わらない。

経営者保証ガイドラインでは、①法人と経営者個人の資産を区別して管理すること、②法人の収益で融資を返済できる収益・財務基盤を持つこと、③財務情報を金融機関に対して適時適切に開示すること――の3点が満たされているほど、融資契約時に不要としたり、既存の契約を解除したりするべきと定めている。

19年にはガイドラインが改定され、事業承継後に、新旧経営者の両方が保証人となる「二重徴求」は原則禁止となった。以来、二重徴求は減少している状況だ。

それでも、中小企業庁の調査によれば直近数年の状況でも新規融資のうち5割以上は経営者保証が外れていない。また、従業員50人以下の中小企業では、既存の融資契約のうち70%で経営者保証が残っているという(図表)。

近代セールス
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