書類,為替,手形
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金融実務の基本となる預金や為替業務の手続きのほか、それらにかかる関連法制の概要や背景にある規定などについて、毎回クイズを出題します。解答のための解説を読んで実務に役立てましょう!

【預金編】総合口座に関する記述のうち正しいのはどっち?

ア 一般的に総合口座の取引対象は、未成年者を除く個人に限られている
イ 複数の定期預金の利率が異なる場合、利率の高い定期預金から担保とする

総合口座は、普通預金、定期預金およびその定期預金等を担保とする当座貸越が組み合わされた商品です。ここでは、定期預金を担保とする総合口座を中心に解説していきます。

普通預金取引では、普通預金残高が支払請求額に対して不足していると、支払いに応じることができません。しかし、総合口座の普通預金残高が支払請求金額に対して不足していると、自動的に定期預金を担保として不足額を当座貸越として融資しその支払いに応じることができます。

一方、当該普通預金に入金があったときには、普通預金への入金よりも当座貸越金の返済が優先され、当座貸越の残高に達するまで返済に充当されます。

総合口座の取引対象者は個人(未成年者を除く)にかぎり、法人や人格のない社団・財団などについては取引対象者としない取扱いが一般的です。未成年者を取引対象から除いているのは、当座貸越が発生したときに未成年者を理由に貸越の取消を主張されるおそれがあるためです。よってクイズの正解はア一般的に総合口座の取引対象は、未成年者を除く個人に限られているとなります。

利率の低い定期預金から順次担保とする