近代セールス
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2022年は、ウクライナ紛争や歴史的な円安などの影響で非常に不安定な1年だった。金融機関の担当者にとっては、法人営業・個人営業の両面で、外部環境やお客様の変化を捉える必要に迫られたであろう。

それでは、2023年の金融業界はどのように変化していくのだろうか。本特集では「業界共通」「法人営業」「個人営業」の3編に分け、法規制の変化といった金融業界に関連する動きや、求められる取組みについて識者が解説する。ぜひ参考してほしい。


経済安全保障への対応は、実は金融業界に大きな影響を及ぼす。継続的顧客管理は、実効性に課題が残り、当局から引き続き強化を求められることだろう。

2023年の金融業界で最大のテーマとなるのは、経済安全保障対応だ。22年8月から段階的に施行されている経済安全保障推進法を受け、各分野で対応の検討が進んでいる。早ければ春頃には金融庁からガイドライン案が公表されるものとみられ、例年8月末に公表される金融行政方針でもトップの項目として扱われることだろう。各金融機関は、主に本部で対策を講じる必要が生じる。

経済安全保障推進法は、経済面での安全を確保する取組みを強化・推進することを目的としている。具体的には、①重要物資の安定的な供給の確保、②基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、③先端的な重要技術の開発支援、④特許出願の非公開――に関する4つの制度の創設を柱としている。

このうち③基幹インフラの提供においては、重要設備の導入・維持管理のための委託が審査対象となっている。そこで日本のインフラ事業者にとって重要な問題となるのが、サイバーセキュリティとサードパーティ(外部委託先)対策である。

背景には、インフラ事業者の多くが、すでにクラウドなど外部の基盤技術を活用しているうえ、国内外の様々な関係先と連携している状況がある。経済安全保障ではこうした状況に潜む課題が指摘されており、金融機関は管理の強化を求められるだろう。

委託先の再委託先まで綿密な管理が必要に