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数年前、アパート・マンション経営のローンで一部の金融機関が強引な手口の不正融資を行っていたことが問題視されて以来、いわゆる「不動産融資」は引締めの傾向が強まっている。特に、地主などの個人が経営する賃貸物件向けの融資は、日本銀行の貸出先別データを見ても伸びていない(図表)。ブームの頃に増えていた「サラリーマン大家」はすっかり鳴りを潜めている。
それでも、不動産に関わる資金需要は根強い。先の統計を見ても、不動産業や個人の賃貸業に対する融資の残高は伸び続けており、不動産業向けの融資伸び率は21年に増加率が底打ちして上昇に転じている状況だ。昨今は将来の金利上昇に対する警戒感が借り手にあるものの、需要自体がなくなる分野ではない。
もちろん、金融機関にとっても不動産融資はメリットが大きい分野だ。融資のロットが大きく、実効金利が比較的高く、融資期間が長期間にわたる。特に、融資案件が比較的少ない地方では貴重な案件だろうから、マンガのように若手担当者が飛びつくのも無理はないだろう。
大切なことは、しっかりと返済できるお客様に対して無理のない条件で提供することだ。アパートローンの不正融資も、返す見込みのないお客様に対して強引に貸したのが問題だったのだ。

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