審査を知って推進に活かす!適切な不動産融資の見極め方
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キャッシュの予測に着目し空室や賃貸料は厳しく見積もる

近代セールス
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地方の中心街で企業が賃貸ビルを建てるプロジェクトについて、現実に近いケースを設定した。

菓子卸売業D社は、駅前の商店街で現社長の祖父が60年前に創業。35年前、業容拡大に伴い郊外へ物流倉庫を建設し本社機能を移転した。その後、創業地では菓子小売部門が店舗を営業し続けていたが売上は年々減っていたうえ、店舗が老朽化していたため、小売部門を閉鎖して賃貸ビルに建て替えることを決めた。

D社は不動産リーシング会社と協議を重ね作成した店舗跡地利用計画を基に、X銀行に対し1億8000万円の資金調達を打診した。図表1は事業計画の一部である。

物件コンセプトは、商店街の新たな集客施設として地域商業の発展に貢献するというもの。テナントは、周辺地域に洋菓子店がないため、1階に著名パティシエの店舗が入居予定。2階に英会話教室、3~4階は士業や保険関連業種から募集中だという。

D社が利用した不動産リーシングは、一般的な仲介業務だけでなく、物件の収益性を上げるために賃貸物件のテナントを誘致する業務である。商店街活性化に貢献できる企業を誘致できることや、竣工直後から満室の可能性が高まることから、不動産リーシング会社を利用した。

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物件属性と収支の両面で見極める