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Q 取引先から追加融資を相談されました。資金使途を聞くと「証書貸付の折り返し資金」とのこと。どう稟議書を作成しますか
A 財務体質の確認のためにも資金使途と因果関係のある理由を聞き出すのは大切です。一般論を使って確認しましょう
稟議書作成で記載不十分になりがちなのが、なぜその資金が必要になるのかといった資金使途理由だ。今回は資金使途理由のヒアリングのポイントと、資金繰り償還について解説する。
企業は通常、融資申込みの理由について前向きなら正しく話すが、後ろ向きの理由なら「手元資金の不足」などと曖昧にしがちだ。融資担当者も、資金使途と因果関係のある理由が聞き出せず困った経験はないだろうか。この場合には一般論を使って仮説を設定し、仮説の問いかけによって理由を探るとよい。
まずは資金が必要になる一般論を基礎知識として身に付けておきたい。この場合の一般論とは、売上が増加すれば増加運転資金、在庫が滞留すれば滞貨資金、生産量が減少すれば減産資金が必要になるというものだ。
例えば「異常気象になると季節商品が売れない」という一般論から、「今年は冷夏だから、季節商品が滞留在庫になれば滞貨資金が必要になるはず。冷夏を切り口に話してみよう」となる。こうしたヒアリングは借入金額や申し出のタイミングがいつもと異なるなど、特別な事情がありそうな場合には必ず行いたい。