近代セールス
(画像=HirokiFujita/stock.adobe.com)

ソリューションとしてのサステナブル融資の提案を

SDGsへの支援につながるサステナブル融資。しかし、ノルマに追われて「お願いセールス」をしてはいないか。課題に対するソリューションとしてサステナブル融資を提案すべきだ。

いま、多くの金融機関がサステナブル融資の推進に注力している。取引先のSDGsに向けた取組みを支援することは、金融機関の行職員にとって極めて重要なことだ。若い渉外担当者からは、「自分が担当した融資がカーボンニュートラルにつながることに喜びを感じる」といった前向きな声も聞く。

では、これで「めでたし、めでたし」なのかというと、そうではない。

多くの金融機関が、ポジティブ・インパクト・ファイナンスやサステナビリティ・リンク・ローンなどといったサステナブル融資に、大きな目標数字を設定している。推進部署からすれば、大きな目標数字を設定しても、社会に貢献する融資だからと大義名分が立つのであろう。

だが、ここに問題がある。サステナブル融資の成果が上がらない渉外担当者は「SDGsに対する意識が低い人」という見方をされかねないのだ。大きな目標数字に対する担当者の達成度が、誰からも批判されないまま「SDGsに対する意識のバロメーター」とみなされかねない現状には、危険性を感じる。

目標がお願い営業を誘引していないか