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いま話題のキーワード「リスキリング」に、一部金融機関も着手しつつある。行職員が前向きに取り組むために金融機関側はどうすればよいか、調査結果から紐解いていく。
経団連の定義でリスキリングは、「主に企業が直面する経営課題に対応するスキルアップ・チェンジのための学び直し」である(図表1)。経理・人事でのクラウドサービス活用、AIによる流通や生産の最適化など、コロナ禍を機にデジタル化が進んだ企業は多い。従業員が新たな技術を使いこなし成果を発揮するため、リスキリングが求められている。

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筆者は、従業員が前向きにリスキリングに取り組むためのポイントは3つあると考える。金融機関が進める際も参考にしてほしい。
1つ目は、スキルを身に付けた従業員の努力に十分に報いること。
リスキリングの分野は様々だ。個人の主体的な学び直しもあれば、企業から用意する研修もある。特に後者で従業員には、精神的にも肉体的にも負担がかかる。苦労しても報酬が上がらないなら従業員は前向きに取り組みづらい。
そこで企業は、従業員が習得したスキルを業務に活かしつつ、年功賃金ではなく各自のスキルに応じた賃金設定を行う必要がある。例えば、高水準のデジタルスキルを習得した従業員には、転職賃金の相場(図表2)におけるデジタル関係の分布を参考に給与を上げることが望ましい。

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