
(画像=buritora/stock.adobe.com)
どんなお客様に相続・贈与ニーズがあるか紹介するとともに、それをどう顕在化させていくのか解説する。
【PART 1】お客様本人へのアプローチ
定期的な振込や保険商品の解約を行ったお客様を探そう
相続のニーズを発掘すること自体は、それほど難しくない。理由は、相続は時期がわからないだけで誰にでも発生するからだ。だからといって、会うお客様すべてに声かけを行っていては効率が悪い。限られた業務時間の中で効率的な声かけを実践していこう。
では、どんなお客様に声をかければよいか。まずは、取引のあるお客様の中に、子どもや孫の口座に定期的に現金を振り込んでいる人はいないだろうか。こうしたお客様は暦年贈与を行っている可能性がある。すぐにアポを取って「こちらの資金は相続対策の一環なのですか?」とストレートに理由を聞いてみよう。
答えが「YES」の場合、①受贈者はそれを知っているか、②定期贈与に当たらないか、③振込先の口座の通帳や印鑑は受贈者が管理しているか、④契約書を交わしたか――の4点を確認しよう。意外にも、お客様はきちんと贈与が成立するためのルールを知らないことが多い。「知らない」「なぜそんなことを聞くのか」と言うのなら、贈与機能を持つ金融商品の提案も考えられる。
返事が「NO」の場合、相続対策ではなく、単に資金援助という意味で暦年贈与を行っているかもしれない。この場合、「贈与は年間110万円までしかできない」「贈与者一人につき110万円の非課税枠しかない」と勘違いしているお客様は多い。110万円は非課税枠のことであり、贈与者ではなく受贈者ごとに非課税枠が使えることを伝えよう。