税制改正で変わる!相続・生前贈与のアドバイス
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2 継続的に贈与を受けており運用経験があるお客様

資産状況を確認しリバランス提案や相続アドバイスを実施

続いて、暦年贈与により継続的に資金を受け取っており、一定の運用経験があるお客様への提案を考えていこう。ここでもお客様の事例を2つ挙げて提案のポイントを見ていこう。

贈与資金を加えてポートフォリオを確認

①資金を受け取ったお客様が一定の運用経験がある30~50代の資産形成層の場合

すでに自身で資産運用を行っている場合、一定の基礎知識や経験を有しているため、担当者にはワンランク上のアドバイスが求められるだろう。ヒアリングを行い、㋐お客様のポートフォリオはどのような比率になっているのか、㋑贈与で受け取った資産を合算するとお客様のポートフォリオのリスク度合いはどう変わるのか、㋒一定のアセットクラスに偏っていないか――といった点に注意を払う必要がある。

また、非課税枠110万円に収まる資金を毎年贈与で受け取っており、それをそのままNISAで運用しているというケースも十分に考えられる。この場合、現行NISAでの買付けは23年までであり、24年から始まる新NISAにはロールオーバーできないことを伝えよう。

現行NISAで運用している商品は、5年の非課税期間中、もしくは非課税期間終了後に「売却するのか」「そのまま課税口座に移すのか」という判断が必要になる。特に含み損を抱えている状態で課税口座に移すとその時点の価格が税務上の取得価格となるため、その後の売却時に「実際は利益が出ていないのにもかかわらず課税される」というデメリットが発生する(図表)。そのことも伝えよう。

近代セールス
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将来の相続を意識し早めの対策を促す