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Q4. 現在の保証額を減額してほしい…
筆者の経験上、経営者保証として実際に保証債務を履行するに至ったケースは稀であり、多くの場合、経営会社の法的整理とともに自己破産するケースが多いです。
経営者保証は、保証能力に訴求して保証を徴求する場合がある一方、経営責任等を保証という形で融資に付帯させる規律付けに訴求する場合があります。
「規律付け」は、借り過ぎの防止や、借りたものは必ず返すといった経営責任において自らを律するものです。
保証能力を大幅に超える保証の徴求は、例え規律付けによるものといえ、金融機関による「過度な依存、慣行」と見做される場合もあります。
本ケースの相談のように、保証額の減額を申し出る背景や事情には、保証人自らが保証能力や責任を自覚している場合があります。
または、将来の円滑な事業承継に備えて、徐々に経営者保証を減らしたいといった意図が存在するのかもしれません。
いずれにしても、保証額を減額したいといった事情や背景について、きちんとヒアリングしたうえで対応することが求められます。
事情や背景によっては、当然に減額に応じてもらえるものと思い込んで相談されるケースもあります。そのため、対応にあたってまずは、事情や背景に配慮しつつ、あくまでも自行庫内での検討により減額の可否が判断される旨を説明し、理解してもらいます。