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個人分野の金利で代表的な住宅ローン金利の基本的な仕組みと、お客様への説明方法を解説する。

Q1 住宅ローンの金利はどのタイプがお得なの?

住宅ローンの金利のタイプは、主に変動金利と固定金利が存在する。その中でも、固定金利には固定期間選択型と全期間固定金利型がある。

変動金利とは、名前のとおり常に変動する金利で、基準金利である短期金利の変動に準じて変動する。短期金利は、以前は公定歩合と呼ばれる金利があり、日銀による短期市場の政策金利として政府の景気対策の一翼を担っていた。

現在の短期金利は、金利の自由化に伴い、市中銀行間のお金のやりとりによって決まる。この短期金利は長年低位安定のため、住宅ローンの変動金利もほとんど低金利で安定している。

これに対し固定金利は、10年物国債の利回りを指す長期金利を基準金利とする。

固定期間選択型と全期間固定金利型の違いは、例えば35年の住宅ローンを組んだ場合、35年間すべてを借入時の金利で支払っていくのが全期間固定金利型。35年のうち、例えば10年間といった一部の期間を同じ金利にして利息を支払っていくのが固定期間選択型である。

固定期間選択型の適用期間は2年・3年・5年・7年・10年の区切りになっている金融機関が多い。ただし金融機関でいう純粋な固定金利とは、全期間固定金利型を指している。固定期間選択型は、住宅ローン返済期間全体は変動金利で借りて、返済期間のうち、固定金利にする期間を選んで返済する形になっている。

なお住宅金融支援機構は、フラット35という全期間固定金利しか採用していない。

銀行員は知っておきたい!金利の仕組み基礎のキソ
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数字だけで判断せず状況に応じた金利選択を