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(画像=Sutthiphong/stock.adobe.com)

Q3 日銀の政策で法人融資の金利が上がるってホント?

2022年12月20日に日本銀行は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)における長期金利の変動幅を0・25%程度から0・5%程度に変更した。これを受け、みずほ銀行などが23年1月11日から長期プライムレートを年1・40%と、約11年ぶりの水準に上げた。

そうした状況の中、いままでマイナス金利政策を続けてきた日銀の黒田総裁が任期を終え、植田新総裁が誕生することとなった。金融市場では今後、日本銀行がマイナス金利政策解除という大きな政策修正に動くとの見方もあり、その場合は政策金利や市場金利の上昇が、銀行の貸出金利上昇につながると考えられている。

融資金利の上昇は金融政策等に左右されるので、政府と日本銀行が日本経済をどのように導くか次第だが、いまの低金利が永遠に続くことはあり得ないだろう。どこかのタイミングで貸出金利の上昇は起こりうることである。

実際に株式市場では、日本銀行が長期金利の変動幅を0・25%引き上げただけで銀行株が上昇した。これは市場が、変動幅の引上げにより金融機関の預貸金利の利ざやが改善され、金融機関の収益が回復すると考えたからだ。

政策継続なら金利上昇は一時的か