近代セールス
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山形銀行は、2030年までに目指す長期ビジョンとして、「お客さまの価値を共に創造し、地域ポテンシャルを最大化する金融・産業参画型ハイブリッドカンパニー」を掲げる。金融仲介分野に加えて、企業再生や事業承継などを通じて地域産業の創造にも参画するビジネスモデルを築いていく考えだ。長谷川吉茂頭取に、全行を挙げた挑戦に込めた思いを語ってもらった(以下、敬称略)。

長谷川 吉茂(はせがわ きちしげ)
長谷川 吉茂(はせがわ きちしげ)
1949年山形県山形市生まれ。東京大経済学部卒。住友銀行(現三井住友銀行)を経て、1985年山形銀行常務。専務、代表取締役専務を経て、2005年6月から代表取締役頭取。22年、旭日小綬章を受章

▼横顔
以前より茶道を嗜んでいるという長谷川頭取。山形県人では初めて、裏千家で「今日庵老分(こんにちあんろうぶん)」という役職に就く。昨年は裏千家の前家元・千玄室大宗匠(せんげんしつだいそうしょう)から99歳・白寿の祝賀会に招かれ、談話を楽しんだという。

補助金申請など経営支援で力を発揮

──コロナ禍から3年が経ちます。事業者をどのように支援してきましたか。

長谷川 山形銀行はこれまで、リーマン・ショックや東日本大震災など数々の危機において事業者を支援してきました。今回も国家的危機にあると考え「できることはすべて行う」との姿勢で資金繰りを支援してきました。ニューマネー供給や条件変更の相談について、柔軟かつきめ細かく対応してきたと自負しています。

同時に、経営計画の策定・実行の支援についても、外部コンサル会社に丸投げせず行内の人材やノウハウを活かして取り組んできました。この一環として申請を支援してきた事業再構築補助金は、結果が公表されている第7次公募までの採択数が120件を超えます。東北6県でトップクラスの実績です。

コロナ禍以降に融資してきた事業者のうち、22年9月までに2000先以上で返済が始まっています。条件変更が急増する様子はなく、資金繰りで目立った問題は生じていないと見ています。

歴史を礎にさらなる挑戦で山形を強くする

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全国平均より進む人口減少に危機感