
(画像=ltyuan/stock.adobe.com)
米国の「デジタルバンクラン」は対岸の火事とは言えないだろう。
銀行に対する信用不安が急激な預金引出しを引き起こし、流動性不足(手元資金の不足)に直面した銀行は預金引出しに対応できなくなり破綻する…。こうした「銀行取付」で2023年3月10日、資産規模全米16位のシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻した。
金融危機のたび、預金保険制度やバーゼル規制などを整えることでプルーデンス(健全性)政策は発展してきたにもかかわらず、いまだに銀行取付が起こる。制度・規制の再検証が必要であることを今回の事件は教えてくれる。
SVBのHPによると22年末時点の連結総資産は約2120億ドル(約28兆円)。その規模は日本の地方銀行で最大の資産規模であるふくおかフィナンシャル・グループ(22年末の総資産は約29兆円)と同規模だ。SVBは州法銀行(地方銀行)でありながら注目を集めていた銀行で、SVB破綻による信用不安は世界中に連鎖している。