
2 案件紹介を得るためにはこのようにアプローチする
不動産関連業者から紹介を得るためのアプローチ方法について、取引先である不動産業者の理解、競合他行庫の動向の把握、自行庫の住宅ローンの商品性等の3つの観点から解説する。
①各不動産業者の特性を理解
各不動産業者との関係を深めたいならば、各業者の特性・特徴をホームページや住宅情報専門サイトから収集しておく必要がある。
併せて、企業信用情報などを基に売上げ等の財務内容も確認しておこう。
訪問時には、対前年比も含めた今期の営業実績、営業活動上での課題等のヒアリングを行いたい。
〈話法例〉
「当行としましても、御社のお役に立てることがございましたらぜひ検討させていただきたく存じます」
「現在の受注状況、販売状況はいかがですか。お困りのことは何かございませんでしょうか」
金融業界と不動産業界は業務内容が大きく異なるものの、不動産業者とのより深いリレーションを構築するためにも、ローンセンターや営業店の不動産業者の担当者は、不動産業界の情報を少しでも知っておく必要がある。
各都道府県において毎月発表される「新設住宅着工統計」は、ホームページで必ず確認すべき内容だ。
報道による不動産業界、特に住宅業界のニュースも必ず把握し、不動産業者への訪問時には事前に各社のホームページで最新情報を把握しておく習慣をつけよう。
併せて、大手住宅情報サイトも適宜確認して、担当する不動産業者がどのような物件情報を掲載しているかも把握しておくとよい。
多くの不動産業者は金融機関に対し、住宅ローンの事前審査の対応力、具体的には審査の回答の早さ、自営業者等への審査基準と審査の通りやすさ、返済負担率や審査金利を考慮した借入金額の柔軟性、お客様へ提示する借入金利などを重視している(図表)。
したがって次項にあるように、競合他行庫の動向や自行庫の住宅ローンの商品性(保証会社の審査基準)をよく理解しておこう。
