近代セールス
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資金流だけでなく商流に着目した分析でニーズを把握しよう

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財務諸表からは様々な提案セールスの“ネタ”を見つけることができる。今回は、「買入債務」について考察したい。

買入債務は、企業が事業活動の一環で商品やサービスを購入した際、未払いとなっている代金のことだ。勘定科目としては、現金払いの場合は買掛金、手形払いの場合は支払手形となり、これらを合わせて買入債務という。

買入債務に関わる経営課題は、①買入債務の減少に対応した運転資金の確保、②仕入コストの削減、③安定的な仕入先の確保が挙げられる。

①について、買入債務の増減は企業の運転資金需要に影響する。買入債務の減少が支払いサイト短期化要請の結果である場合、資金繰りが厳しくなっている可能性もあるため注意が必要だ。

②について、買入債務増加の原因が仕入単価の上昇によるコスト増加の可能性がある。仕入先や原材料、商品の見直しなどコスト削減の方法は1つではないため、経営者が一番の課題だと考えているポイントを確認したい。

③について、買入債務の増減が大きい場合、サプライチェーンに問題があり仕入が不安定となっている可能性がある。安定的な仕入先の確保が課題となっているケースが考えられる。

財務諸表からポイントを抽出する