ポイント
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《業種別》決算書を読み解くポイントを押さえよう

ここでは、取引先の決算書を読み解くにあたり、それぞれの業種で押さえておくべき、特徴的な動きや変化をする勘定科目を中心にポイントを解説します。

1. 製造業
設備投資の減価償却費や固定費の動向を注視する

一般的な製造業の特徴として、小売業やサービス業など他業種と比較して、設備投資が大きい傾向があります。

製品を作るには工場の建設が必要です。土地や社屋を始め、製造機械への投資が必要となります。これらは勘定でいうと有形固定資産へ会計されます。

設備投資にはまとまった資金が必要です。手元資金で賄うこともありますが金融機関からの長期借入金で調達するケースが多いでしょう。これが製造業の貸借対照表の特徴といえます。

損益計算書上の特徴としては、有形固定資産が大きいことから、その耐用年数にしたがい長期間にわたり費用化する、比較的額が大きい「減価償却費」が発生します(図表1)。