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事業売却提案の前段階として、担当者が押さえておくべき声かけ時の注意点や経営者の言動を見ていく。
1 まずはM&A提案の前に事業継続の意思を深掘りしよう
経営者としての終わり方は「自主的な終わり」か「強制的な終わり」の2種類しかない。自主的な終わりは事業を誰かに承継させるか廃業の選択であり、強制的な終わりは相続か倒産の選択である。
しかし、後継者がいない経営者は自主的な終わり(廃業)をしたくても、地域内に取引先を多数抱えているなど他者への影響を考えて廃業できない場合がある。ゆっくりと時間を取れればいいのだが、高齢の経営者は自身の健康への不安を抱えていることが多く、決断への時間的猶予が少ないという状況も考えられる。そのため、経営者自身が健康であるうちに、経営者としての終わり方について考えることは重要だ。
後継者がいない高齢の経営者が引退したくても引退できない理由には、主に以下の3つが挙げられる。