
ようやくコロナ前に戻りつつある日本経済。しかし、地方経済に目を向けると、人口減少に伴う担い手不足や市場規模縮小など、様々な課題を抱えている。人口減少時代に地域経済を最短で立て直すための方法論を考察する。
金融機関でプライドを持って中小企業への法人融資に邁進してきた法人営業担当者の多くが、いま仕事に行き詰まりを感じているのではないだろうか。
かつて法人融資は金融機関の花形だった。法人融資が伸びれば支店の業績は安泰だったからだ。
いまはどうだろう。ほとんどの金融機関では、業績をけん引しているのは、もはや法人営業ではない。法人融資の貸出レートは「カンナクズのようにペラペラ!」ともいわれる。
これは政府のマイナス金利政策のせいなのか。いや、それだけではないだろう。企業、とりわけ優良企業からは「銀行なんてどこでも一緒だ」と思われているようだ。
どれだけ高付加価値な営業を試み、ビジネスマッチングや補助金といった会社の収益につながる本業支援の情報を提供し続けても、借入のタイミングでは結局入札、なんてことも珍しくない。
法人営業は、もはや花形ではないのだ。世の中の企業の35%は無借金だという。企業セクターでは、カネは余っている。法人営業は「頭を下げて無借金の優良企業に不要不急のおカネを使ってもらう」ような仕事になってしまったのではないか。
一方、コロナで大きなダメージを負い、返済できるかできないかきわどい財務内容の会社たちには、しっかりと向き合えているだろうか。
「事業性評価」「ローカルベンチマーク」などと様々なモノサシを与えられ続けているが、結局のところ債務超過企業やベンチャー企業にプロパー融資はできないことが多く、マル保融資での対応になってしまう。本当に助けを必要としている企業にはおカネを回せていない。
昨今、多くの行職員が静かに退職していく現象は、こうした行き詰まりの結果起きているようにも思える。