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手形・小切手の果たしてきた役割と電子化による取引の変化を理解しよう
ここでは、手形・小切手の果たしてきた役割をはじめ、電子交換所設立の背景や今後取扱いが増加すると予想されるでんさい利用の関係性について解説します。
日本の商業史上、手形についてはいろいろな説がありますが、鎌倉時代には信用取引が行われていたといわれています。その後、江戸時代になると手形は大阪や江戸などの都市をまたぐ商取引の代金支払いや送金などの手段として利用されるようになり、多くの手形が流通し、信用創造に寄与していました。
一方、小切手についても諸説ありますが、江戸時代における米切手を語源とする説が有力とされています。江戸時代では、武士の俸給は米で支払われていました。武士は、その米を売って現金化し、生活費などに充てていました。このとき、買主に米の代わりに渡されていたのが米切手といわれるものです。
明治維新後の1872年に国立銀行条例に基づいて国立銀行が設立されると、銀行の預金者に対して振出手形を発行していましたが、通貨制度に支障をきたしたため、発行が制限されました。