画像【米国現地レポート】絶好調の米雇用統計で米利上げ3月説に勢い 根強い慎重説も

12月5日に発表された11月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが前月比32万1千人増と、市場予想の23万人増を大幅に上回った。米ドルは主要通貨に対して上昇し、株価もさらに上げている。米論壇では、米利上げが2015年6月以降との予測が大勢を占めていたが、ここに来て、3月の利上げもあるとの論調が急速に台頭している。

米経済調査機関キャピタル・エコノミクスのポール・アッシュワース氏は、「米連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げが経済データ次第だと繰り返し強調しているが、今回の雇用データは9月と10月分の数字をも4万4千人分上方修正するなど、決定的だ。我々の主張してきた、2015年3月利上げ説の根拠がより強まった」として、強気の見解を示した。

一方、これまで早期利上げ説に慎重だった経済学者たちまでもが、3月利上げ説に傾き始めている。元米財務省のエコノミストで、有名なFRBウォッチャーでもあるオレゴン大学のティム・デューイー教授は、2012年9月にFRBの量的緩和第3弾(QE3)が始まった当時、「2015年半ばまで利上げを待つのは、長すぎる」としながらも、「1937年に米国で景気後退を引き起こした性急な金融引き締めのように、量的緩和の終了が時期尚早になってはいけない」と警告し、出口戦略には注意深い見極めが必要との見方を示していた。

しかし、ここ数か月のブログでは、「米経済の回復は、本物かも知れない」との論調に変化し、11月の雇用統計発表の後には、「来年6月以前に利上げが行われる可能性は増大する一方だ」と、言い切っている。

「市場を動かす男」として知られるセントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁をはじめ、フィラデルフィア連銀のチャールズ・プロッサー総裁やダラス連銀のリチャード・フィシャー総裁などのタカ派FRB高官も、かねてから3月利上げ説を唱えており、12月16日から17日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げまでの「相当期間」というフォワード・ガイダンスの文言が削除される可能性が強まっている。