富裕層ビジネス

近年富裕層ビジネスと題した、富裕層をターゲットに絞った物売りや、投資商品の紹介などが増えてきています。なぜここにきて"富裕層"が意識し始められたのでしょうか。
今回は、その理由に潜む背景、そして日本における富裕層ビジネスはそもそも成立しうるのかというテーマについて富裕層の未来を含めて考察します。

【参考】

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1.富裕層ビジネスとはなにか?


富裕層ビジネスについてまずその事例を挙げておきますと、いわゆる金融資産投資、不動産投資のほか、高級自動車、宝飾品、美術品などの高額商品への投資などがメインとなる、いわば自分の資産をさらに増やすとか、自分の付加価値を上げるための財の購入を促すものであるといえるでしょう。

つまり、いかにして富裕層の資産を動かすかがビジネスの勘所となるわけです。

富裕層の目安となる保有資産3千万円の世帯数が、1997年で約850万世帯だったのに対し、2005年では約1070万世帯に増加、2007年の株価のピークを境に一旦減少に転じるもの、消費から貯蓄へのシフトによりその世帯数は年々増え続けています。

こうした背景もあり、ほんの15年前までは、富裕層ビジネスを戦略の一つとして意識している企業は少なかったものの、ニューリッチ層の台頭もふまえ、金融・不動産はもちろんのこと、家電や百貨店業界でも富裕層をターゲットとしてより多くの利益獲得が目指されるようになりました。

また同時に、90年代以降段階的に規制緩和が行われ、富裕層ビジネスの環境が整いつつあったことも要因です。
銀行業界では仲介・窓販・代理店といった形で証券業務・信託業務の展開が可能となり、富裕層に対するワンストップサービスが可能になったことなど、富裕層に対するビジネスアプローチは有望であると考えられていたわけです。