原油安は「実質」減税…貿易収支の変動による為替の影響はほとんどない?

1月5日、マーカンタイル取引所でのウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の原油先物価格は、6年ぶりに一時1バレル50ドルを割り込んだ。これを受け、米国株式市場のダウ工業株30種平均は終値で331.34ドル安の17501.65ドルと大幅な下落となった。6日の日経平均株価も525円安の16,883円となった。

今回の株安の背景には原油安の他にギリシャのEU離脱問題があり、必ずしも原油安だけが株価下落要因ではない。しかし原油安が不安材料になっていることは確かである。


原油安は日米にとってはプラス

原油消費国である日本はもちろん米国にとっても、基本的に原油安は生産、流通、エネルギーコストの低減をもたらすので、本来株価にはプラスに作用する。実際、原油安により、負担が軽減した分は実質的な減税と同じ効果を持つ。減税により購買力が増えれば消費が増え、株価は上昇するはずである。しかしそれでも株価は下落している。


原油安の下げ幅急落により投資家のダメージ大きい

それではなぜ株価が下落するのかといえば、原油安の下げ幅が急激すぎるからである。半年前までは1バレル110円だったものが、半年間で1バレル50円まで下がっているということは、高値で先物取引していた投資家(エネルギー関連、航空関連企業)が大きな損失を被っていることになる。当然、これら原油先物取引をしていた企業の株価も下落する。また原油価格の下落により、シェールオイルや太陽光などの生産性が下落することが考えられ、これら代替エネルギー関連株も下落することになる。さらに原油産出国の経済悪化により、債務不履行のリスクが高まることになる。これらが複合的にからむことで、株式市場全体が下落の方向に向かったといえる。