消費税増税後も順調に国内景気は回復傾向にあるようだ。

昨年4月に消費税率が8%に引き上げられた。前回消費税率を引き上げた1997年よりも駆け込み需要や、需要の反動減といった影響は小さくなっている。日銀が各支店における景気報告をとりまとめた「地域経済報告」によれば、全9地域で「景気回復」の表現が出てくる等、景気回復が地方経済にまで波及している様子が見てとれる。

内閣府が発表している景気ウォッチャー調査においても、企業動向、雇用動向、家計動向すべて上昇している。


景気回復は本格的か?

円安に伴い外国人観光客が増加しており、一部では日本人の消費を上回るほどになっている。

また、海外で生産し国内に輸入している製造業の多くで、日本国内に回帰しようという動きが広がっている。パナソニックは洗濯機やエアコン等の白物家電について国内生産に切り替えることを検討しており、キヤノンも同様に国内生産比率を現在の4割から6割程度まで引き上げる方針を発表している。今後も国内回帰の動きは続きそうだ。

今年の10月に予定されていた消費税率のさらなる引き上げも延期され、個人消費は落ち着きを取り戻し、しばらく堅調に推移しそうだ。 円安・株高による影響と、アベノミクスによる経済対策や、原油やガソリン等の燃料価格低下が相まって、消費税の影響が少なかったようだ。


消費者の二極化は進む

株価が堅調であったため、株高によって資産が増えた人びとは高級時計や貴金属を積極的に購入している。しかし、一般の消費者は徐々に景気回復にあるとはいっても、価格を抑えて消費する傾向は相変わらず続く等、消費者の二極化が進んでいる部分もある。

消費者が二極化するのではなく社会全体に浸透していくためには、消費税率の引き上げを延期する以外にも多くの施策が必要だろう。政府は官製ファンドを立ち上げ、直接企業に投資を行い、税金による成長分野への投資を加速しているが、目に見える成果はまだ出ていないようだ。


カギは春闘にアリ

今後も本格的な景気回復へ進むのだろうか。

円安によりこれまで海外生産していた工場等が国内回帰が進むだけでなく、国内に定着することが必要となるだろう。また、政府が推進する「地方創生」もうまく行けばいいが動き始めたばかりでもあるため、まだまだ効果は未知数だ。

このような長期的な対策も当然必要であるが、景気回復が腰折れしないためにも実質賃金の向上が必要となってくるだろう。企業の業績回復による影響は従業員にまでは思ったほど浸透していない。飲食店や建設関係をはじめ、他の産業にも労働需給のひっ迫が広がりつつある。実質賃金もようやくプラスに転じたばかりであり、これから春闘による賃上げ要求が本格的に始まることとなる。この春闘の影響を受け、企業から家計へ資金が回り、景気の下支えへとつながっていくものと予想される。

世界の情勢をみれば仏のテロ事件や、原油価格の暴落によるロシア通過ルーブルの下落、今年中に米国で利上げが予想される等、不安定要素は多い。米国だけではなく、日本も本格的な景気回復へと進むかどうか正念場の年になりそうだ。

(ZUU online)

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