改善続く米雇用統計の今後の見通しは? 消費は伸びるが投資減速

(写真=Thinkstock/Getty Images)

米労働省は6日、1月の雇用統計を発表した。概ね雇用環境の改善継続を示す内容だった。景気動向を反映する非農業部門の雇用者数は前月より25.7万人増加した。また昨年11月は42.3万人、12月は32.9万人に上方修正された。1月は昨年12月よりも増加幅は縮小したが、雇用回復の目安とされる20万人は11カ月連続で上回った。10か月以上連続で上回るのは、1993年9月から1995年3月までの19カ月連続以来である。

業種別では、製造、小売、専門職、教育・健康、レジャー・接客で、非農業部門全体の約6割を占める。これらについて、製造が2.2万人、小売が4.6万人、専門職が3.9万人、教育・健康が4.6万人、レジャー・接客が3.7万人増加した。このように、シェアの大きい業種を中心に幅広く増加したことが、全体の増加につながった。


失業率悪化も景気回復で就職活動を再開した人が多いため?

失業率は5.7%となり、前月より0.1ポイント上昇(悪化)した。ただしこれは、雇用環境が悪化したからではなく、次の原因によると考えられる。これまで就職を諦めていたが、景気回復を受けて就職活動を再開した人たちが増加したということだ(労働人口は前月比0.7%増加、労働参加率は同比0.2ポイント上昇)。そういった人たちが、調査時点ではまだ就職できておらず失業状態だった(失業者数は3.3%増)。そのため、労働人口の増加以上に失業者数が増加し、失業率が上昇した(失業率は0.1ポイント上昇)。

つまり、景気後退で雇用環境が悪化したのではなく、景気回復過程で一時的に失業者が増えただけと考えられる。

また、時間当たりの平均賃金は24.75ドルとなり、前月より0.12ドル増加した。前月の0.05ドル減少から1月は増加に転じ、前月の落ち込みをカバーした。しかも0.10ドル以上の増加は、データのとれる06年以降で7回しかなく、それほど高い増加幅である。このように、雇用に加え、賃金でも改善傾向が明らかになった。


米雇用環境改善の背景

リーマンショック後、FRBは量的緩和を行い、市場に大量に資金を供給してきた。それにより、消費や投資が伸びて企業業績も回復し、雇用の増加につながった。米商務省発表の実質GDP成長率を用いて、リーマンショック当時の2008年から2009年の平均と、その後の2010年から2014年の平均を算出し、その変化を見てみる。個人消費支出は-1.0%から2.2%、住宅投資は-22.6%から5.0%、設備投資は-8.1%から5.3%、全体は-1.5%から2.2%へと、それぞれ改善している。それに伴い失業率も、2010年の9.6%から2014年は6.2%へと改善している。

このように、金融緩和を含む経済政策が消費や投資を促して、雇用の回復につながったと言える。