失業率
(写真=Thinkstock/Getty Images)


労働力調査から窺える「非正規の正規への転換」

総務省が3月末に発表した2月の労働力調査によると、雇用環境が依然として良好であることがわかった(以下、原数値と記載したもの以外はすべて季節調整値)。

就業者数は6376万人で、前月より+0.03%と2カ月ぶりに職についている人口が増えている。年代別では35~44歳、45~54歳が各々+0.7%と増加。男女別では、男性は横ばいだが、女性が+0.1%とアップ。業種別に見た場合には、伸び率の大きい業種(原数値)で、製造:+1.6%、卸売・小売:+1.2%、医療・福祉:+0.1%と増大した。

さらに見逃せないのは、非正社員から正社員への転換が進み、雇用の改善が「質」までおよんでいることだ。非正規の被雇用者が前年比-0.8%と減少するのは、現時点で比較可能な2014年1月以降、初めて。一方、正規雇用の+1.8%の伸び率も最大のプラス幅(共に原数値)となり、非正規雇用者数が減り、正規雇用者数が増加している。

つまり、雇用の量の拡大に加えて、その質も変わりつつある。正規・非正規の隔たりは大きく、国税庁の民間給与実態統計調査によると、2013年の1人当たり平均給与は、非正規168万円に対し正規473万円と2.8倍もの格差がある。非正規雇用の正規への展開が進む実態をふまえれば、企業が人材確保・慰留のために正社員への転換を推進しており、雇用の質の改善も進んでいるとも言えそうだ。


完全失業率はデフレ突入前の水準へ

他方で、完全失業者数は230万人で、前月から-2.1%と3カ月ぶりに減少。リストラなど「勤め先や事業の都合」で離職した人が-8.7%と減り、企業の業績がよいことを物語る。

また1月から2月で、「自己都合」退職者が+3.3%から-2.1%、「新たに求職」した者が+4.8%から-4.5%と好転。これは、労働市場の回復を受けて前月転職・求職活動を開始した人が、当月には就職できたものと考えられる。

以上のように、就業者が増えて失業者が減った結果、完全失業率は-0.1ポイントと2カ月ぶりに改善して3.5%となり、低水準を維持。1997年に3.4%を記録して以来、おおむね4~5%と高止まりしてきたが、ようやく低水準の失業率に回復。雇用に限れば、少なくとも、デフレ突入前の90年代後半の水準に戻りつつあると言えそうだ。