消費
(写真=Thinkstock/Getty Images)


天候によるプラス要因を打ち消す消費増税の影響

総務省が発表した2月の家計調査によれば、消費の低迷が長引くものの、足元では復調の兆しが見え始めていることがわかった。

単身世帯を除く2人以上の世帯の消費支出は26万5632円で、物価の変動を除いた実質では前年より-2.9%となり、11カ月落ち込みが続いている。東日本大震災後の2011年3~11月には9カ月連続マイナスとなっていたが、前月に続いてこの記録を更新する結果となった。

たしかに2月もプラス要因は見られる。昨年の大雪に対し今年は好天に恵まれ、外食で+0.3%、被服及び履物で+1.3%、教養娯楽サービス(外国パック旅行費、遊園地入場・乗物代など)で+3.9%と、食事や買い物、旅行関連の支出が伸びた。

だが、それを打ち消すほどに、昨年4月の消費税率引き上げの影響が残っている。特に日常生活に関わる項目について、昨年は増税前の駆け込み需要で増えていたが、今年はその反動で減少。冷蔵庫や洗濯機などの家庭用耐久財は-37.2%、寝具類は-36.3%で、これらの家具・家事用品は4割近い下げ幅となった。設備修繕・維持(リフォームなど)も-18.3%、教養娯楽用耐久財(パソコンなど)も-22.8%と2割の落ち込んだ。

このように家計の消費は、季節要因で数%底上げされたものの、長期間響く増税で2~4割も押し下げられ、全体として購買意欲・余力が低いことが見て取れよう。


わずかながら復調の兆しも

ただ、足元の動きを見ると、若干回復の兆しが出てきているようだ。

季節調整後の実質指数を見ると、前月より+0.8%と2カ月ぶりにアップ。昨年9月の+1.1%から今年1月の-0.3%へと悪化をたどっていたが、今回はプラスの流れに戻った。先述の前年比も、昨年5月の-8.0%からは、今回の-2.9%へと下げ幅が縮小している。

こうした客観的な数値に加え、消費者の意識もよい方向に変わりつつある。消費動向調査によると、消費態度指数(季節調整済み)は昨年11月の37.7から2月の40.7へと好転が続く。景気ウォッチャー調査の家計動向関連の現状判断DI(方向性)も、同期間で39.5から48.4へと上向きだ。

消費増税から約1年経過し再増税が延期される中、財布の紐を緩める動きがそろそろ出て来る頃だろう。


良好な雇用環境と賃上げの流れが消費に結び付くか

消費が本格的に戻るには、雇用や賃金などの生活基盤が整備されなければならない。

雇用環境が改善されていることは、様々な指標から伺える。日本政策金融公庫の中小企業景況調査によると、従業員判断DIは3月も3.7と上伸中で、人手不足感が強いままだ。そのため、有効求人倍率は2月も1.15倍と良好で、完全失業率は3.5%と低水準を維持。消費動向調査の「雇用環境」の意識、景気ウォッチャー調査の雇用関連の先行き判断DIも、昨年12月から上昇を持続している。

労働者の賃金も、徐々にだがよい流れができつつある。実質賃金指数は、昨年5月の-3.8%から1月の-1.5%と下落幅は縮小。消費動向調査の「収入の増え方」の意識は、2月は前月から0.4ポイント改善。さらに連合の中間集計によると、今年の賃上げ率は+2.36%と前年を上回り、これも好材料だ。

こうした消費余力の向上に加え、今後物価が上昇すると思えば、その前にモノやサービスを購入しておこうという動きが強まる。2月のマネタリーベースは36.7%と増加が続くが、これは金銭の価値を下げて貯蓄より消費を促す要因となる。消費動向調査の「物価の見通しの推移」も、来年の今頃物価が上昇していると想像する人は全体の87.3%にもなる。それもあり「耐久消費財の買い時判断」も昨年12月から上昇中だ。

雇用が安定し賃金が増え、購買の意欲と余力が高まり、さらに物価が上がるだろうと見込まれれば、消費せざるを得なくなる。現状の賃金や物価の水準からすると急激にはそうならないだろうが、今後緩やかに消費が伸びていくのではないか。(ZUU online 編集部)

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