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(写真=Thinkstock/Getty Images)


現状判断を「緩やかな回復基調」に上方修正

内閣府発表の3月景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な人々の実感が引き続き改善していることがわかった。

3カ月前と比べ現状の判断DIは+2.1ポイントで52.2となり、4カ月上昇を維持。昨年8月以降50未満の状態を脱け出せていなかったが、2月同様50を超えて光明が差した。内閣府も景気判断について「一部に弱さが残る」の文言を除き、「緩やかな回復基調が続いている」と上方修正した。

基調の回復について、他指標と共に見ていこう(以下、すべて3カ月後方移動平均、他指標の前年比は原数値、前月比は季節調整値の傾向)。

家計動向関連DIは前年4月以降50を下回り続けたが、今年に入り傾向は上向きだ。この景況感は客観的データからも裏付けられる。実質消費支出は5月以降前年割れだが、8月からは前月比で改善。新設住宅着工戸数は4月以降マイナスだが、10月からは対前月で概ね増大。個人消費や住宅投資は、株高や賃上げによる消費意欲向上、外国人観光客の購買増により、消費増税による低迷から脱却しつつあるようだ。

企業動向関連DIも、6月以降50程度かそれ未満ながらやはり1月からプラス転換。この判断もやはり現実の数値に基づく。鉱工業生産指数、第3次産業活動指数ともに、昨年後半以降前年比で下落中だが、前月比では伸長を持続。企業活動は不十分だが、輸出増と公共工事前倒しに加え、上述の家計需要の緩やかな回復でよい兆候がみられる。

雇用関連DIは、4月から50を上回る月が多く年明けからは上昇の流れ。完全失業率が3%台で低位推移し、有効求人倍率も1倍超えが続くなど労働市場の拡大がそれを表す。上述の内需不足が外需で補われたおかげで企業業績は好調を維持し、人材確保の余裕と必要から雇用は伸びてきたようだ。

家計と企業の動向は、いずれも増税の影響で低水準ながらも復調傾向にある。そして、金融緩和による円安と米景気などの恩恵で雇用は拡張と高水準を確保。現状ではこうした内需不振と外需好調が混在しており、それが景況感に表れているようだ。