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(写真=Thinkstock/Getty Images)

3月の米新築住宅販売件数は1割減となり、在庫も増えて値下がりに陥った。当面は堅調な雇用・所得と低金利で販売は戻る可能性があるが、FRBの利上げ以降は景気が減速し、売れ行きが不振に陥ることも否定できない。


販売不振で在庫増と値下がり

米商務省が発表した3月の新築一戸建て住宅販売件数(季節調整値・年率換算)は前月から11.4%減少し、4カ月ぶりに悪化。その結果市場予想の51.3~52.0万戸を下回り、48.1戸にとどまった。地域別に見ると、拡大したのは5.9%増で5.4万戸となった中西部のみ。北東部が2.0万戸で33.3%減と大きく落ち込み、西部も14.0万戸で3.4%減となり、最大シェアの南部は26.7万戸で15.8%減と2ケタの縮小。多くの地域で底割れしたことが、全体を押し下げる形になっている。

一方、3月末時点での在庫は1.9%増えて21.3万戸となり、2カ月ぶりに積み増し基調に戻った。このように、販売件数が減ったのに対し、在庫が積み上がったことから、在庫消化のペースを示す在庫指数は前月より0.7カ月分伸びて、5.3カ月分に長期化。さらに販売価格は、中央値が27.74万ドルで前月比-1.5%、平均値が34.33万ドルで-0.6%と、いずれも下落が続く。

すなわち3月は、売れ行きが不調で在庫が積み上がったことで、値下げを余儀なくされたといえよう。


トレンドとしては概ね良好

上述のように単月では望ましくない結果が出ているが、ここまでの流れは悪くない。

雇用や所得といった生活環境は改善が続き、低金利も重なって、家計が住宅を購入しやすい状況は変わっていない。実際、失業率は5%台で低位推移し、個人所得も伸び続け、30年固定型住宅ローン金利も3%台後半の低水準を維持している。

そのため、住宅着工は冬場の天候不順による悪化を除けば拡大傾向にあり、在庫もさほど増えず、それに伴い販売も概ね好調を持続。3カ月後方移動平均で、着工は昨年4~12月で拡張が続き、9月以降在庫はペースダウンしており、販売はほぼ上向きの状態。NAHB住宅市場指数の現状販売も、6月の53.0から4月は61.0へと8ポイント上昇するなど、良好さを示す。

年明け以降も2月までは、たしかに着工は進まなかったが、その分在庫が掃けて販売は伸びた。3月も、新築物件は低迷したが、中古物件は6.1%押し上げられたことから、住宅市場全体が停滞しているわけではないことがわかる。


新築販売はしばらく伸びるが利上げ後は後退も

新築物件の販売は、当面は伸びていく可能性が高い。在庫指数は昨年11月の5.7カ月に比べれば3月は5.3カ月へと下がっており、在庫がひっ迫し消化までの期間が短くなっている。建設許可件数は7月以降100万戸台を確保するなど、供給不足を補う余地がある。住宅価格は年明けから下落傾向にあるため、住宅購入しやすい状況が続く。

そのため、NAHB指数の6か月先販売見通しを見ても、10月以来の悪化傾向から4月は持ち直し、依然50を大きく超えて好調を持続。このように、生活環境改善と低金利で需要が見込めるうえに、在庫供給と価格抑制で、当面は販売も底上げされていくだろう。

ただ中長期的には市場が後退していく恐れも否定できない。

上述のように需給関係が締まっていけば、価格が再び上昇し購買が難しくなる。またFRBが利上げをすれば、住宅ローン金利も引き上げられる方向になる。そうした金融引締めで景気が減速すれば、雇用や所得も押し下げられるだろう。実際、ISM景況感指数の雇用は、10月から3月にかけて、製造業は55.2から50.0、非製造業は58.3から56.6へと低下している。

中央銀行の金融政策は雇用や所得、金利を通じ、住宅市場にまで影響を及ぼすため、その動向を注視していかなければならない。(ZUU online 編集部)

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