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(写真=Thinkstock/Getty Images)

3月の消費者物価指数(除く生鮮食品)は+2.2%(コンセンサス+2.0%程度)となり、2月の同+2.0%から若干持ち直した。原油価格の持ち直し、これまでの円安によるコストプッシュの価格転嫁の進展、そして内需が回復していることが、若干の持ち直しにつながった。

昨年4月の消費税率の引き上げの影響を除くと3月は+0.2%となり、ほとんど物価上昇がなくなってしまった状態に変化はない。昨年半ばまでの原油価格の上昇の影響の反動があるため、原油価格が現状程度で推移すると、夏場までには前年同月比は一時的にマイナスとなるリスクがある。

4月以降の賃金上昇の影響が強くなり、原油価格の下落の影響が剥落していく7-9月期以降は、前年同月比は持ち直すとみられる。しかし、年末までに+0.5%程度まで戻るのが精一杯と考える。

物価上昇率が高くなく、賃金の上昇が強くなっていることは、実質賃金の上昇として、消費を拡大させていくと考えられる。賃金上昇による内需の拡大、そして更なる円安が、2016年の物価上昇率を+0.5%程度から+1.5%程度まで加速させると考える。しかし、日銀の目標である安定的な+2%の到達は困難だろう。

4月の東京都区部消費者物価指数(除く生鮮食品)は+0.4%(コンセンサス+0.5%程度)と、2月の同+2.2%から上昇幅が大きく縮小した。昨年4月の消費税率引き上げの押し上げ幅である1.7ppが剥落することを考えると、大きな変化はなかった。季節調整済前月比は0.0%であり、新年度からの価格改定により物価が大きく押し上げられることはなかったことが確認された。

3月の失業率は3.4%(コンセンサス3.5%程度)と、2月の3.5%から若干低下した。企業の雇用不足感は、製造業と非製造業ともに強まっている。就業者の増加は、これまで労働市場を退出していた労働者が戻ってきた分を十分に吸収してきた。

3月は再び、労働市場から退出した労働者が増え、テクニカルに失業率は低下した。人手不足感を背景とした企業の採用活動も強くなってきている。今回も、労働市場に戻ってきたときには、就業者の増加で吸収できるだろう。

2015年には失業率は自然失業率とみられる3.5%を明確に下回り、強い総賃金の拡大がデフレ脱却の実感につながっていくと考える。しかし、賃金上昇が物価上昇につながり、それが賃金上昇を更に加速させる形にならなければ、日銀の目標である2%程度の安定的な物価上昇は困難と考える。その時の失業率は3%を十分に下回る水準であると考えるが、まだ時間はかかるだろう。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテジェネラル証券 東京支店 調査部 チーフエコノミスト

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