ThinkstockPhotos-468471442

(写真=Thinkstock/Getty Images)

起立礼 着席青葉 風過ぎた(神野紗希)

新緑が目にまぶしい季節になった。連休の谷間で実感が薄いが、今日から5月である。新入生・新入社員は緊張の面持ちで過ごした1カ月が終わり、学校や職場に慣れたころだろう。同時に気持ちが緩み、疲れが出て体調を崩したり、仕事でのミスを起こしやすくなる時期でもある。

また「5月病」にも注意が必要だ。環境が変わってはじめのうちは張り切っていたのに、ゴールデンウィーク明け頃から、何となく気分がふさいでしまう症状のこと。「うつ病」「適応障害」などの一種だ。気候はとても爽やかな季節だが、人間の営みにとっては魔が潜むころである。

相場にとっても5月は鬼門である。何といっても「セル・イン・メイ(5月に売れ)」という格言が特に最近では多くの人に知られるところとなった。昨日も日経平均は500円を超える大きな下げを記録した。5月相場入りを前に早くも市場崩壊の兆しか?と思わせる不穏な動きであった。

「セル・イン・メイ(5月に売れ)」を筆頭に、相場サイクルの季節性に関するアノマリーはいくつかある。確かに5月のパフォーマンスは振るわないことが多い。しかし、これだけメディアがそろって「セル・イン・メイ」と大合唱する中では、たとえ相場が下げてもたかが知れている。初めから思い切り腰が引けた状態でいるのだ。転んでも大けがにはならないだろう。

そうは言っても油断は禁物、気を引き締めて臨もう。4月に入った新人が1カ月経って気が緩むこの時期、「初心忘れるべからず」の言葉は新人だけのものではない。いくつになっても、どんなにヴェテランでも、いやヴェテランだからこそ、慢心することなかれ、である。

NHK朝ドラ「まれ」でだらしない父親役を演じる俳優、大泉洋は「常に初陣」という気持ちを大切にしているという。見習いたい。自動車の免許を取ったとき、若葉マークをつけて慎重に走った。相場の道を走るとき、いつも心に若葉マークをつけていたい。

と、堅い話はここまで。明日から大型連休だ。とりあえず、今夜はカツオで一杯やろう。

目に青葉 山ほととぎす 初鰹(山口素堂)

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

【関連記事】
広木 隆「ストラテジーレポート」ユーロ安に一服の兆し
【動画】広木隆のマーケット展望(4月27日収録)
シニア・ストラテジスト山本雅文「FX戦略レポート」
シニア・マーケットアナリスト 金山敏之「投資のヒント」
【マネックス証券】特徴まとめ~ネット証券会社紹介~