鉱工業生産指数
(写真=Thinkstock/Getty Images)

3月の鉱工業生産指数は2カ月続けて下押しされたが、上昇トレンドは維持。現在は輸出向けが生産を支えているが、今後外需が縮小した場合、増税の影響から抜け出し内需がいかに回復するかが増産のポイントだ。


2月の落ち込みから若干改善

経済産業省が発表した3月の鉱工業生産指数(季節調整値)は98.6で、前月から0.3%下落し2カ月続けて悪化。ただ市場予想の-2.2~-2.3%よりは上振れし、2月の-3.1%よりも下げ幅が縮小するなど、よい材料も見られる。

全体を押し下げたのは、まず電気機械工業だ。エアコンの在庫が高水準になり、太陽光発電や鉄道車両向けなど国内用の電力変換装置も低調で、3.7%減産を余儀なくされた。

石油・石炭製品工業も7.7%生産が抑制されている。原油安で輸出用ジェット燃料油が採算割れとなり、暖冬で電力会社向けの発電用重油の需要が減ったことなどが影響している模様。これらを含めて9業種がマイナスに陥っている。

一方で大幅な底割れ防止に寄与したのは、まず電子部品・デバイス工業の2カ月ぶりの回復だ。2月は中国の春節で輸出が減速し、スマートフォン用液晶部品が減産に陥ったが(電子部品:11.4%減)、3月はその休暇が明け輸出が戻って増産に転じ(同:2.9%増)、業種全体で1.0%底上げ。

輸送機械工業(除.船舶・同機関、鉄道車両、航空機)も0.7%と微増ながら反転。1月に大幅に増やした分2月は在庫が積み上がり生産を抑えたが(乗用車:0.2%減)、3月はそれが掃けて製造を拡大(同:1.2%増)。また国内通信事業者の設備投資を背景に、それらに向けた設備装置が好調だった情報通信機械工業も5.4%押し上げられた。これらを含む5業種が伸びたことで、全体の下げ幅縮小に貢献したといえよう。

ちなみに3カ月後方移動平均を取ると、昨年9月以降上昇が続いており、基調としても悪くない。経済産業省が「総じてみれば、生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる」という判断を維持したのも、こうした改良の流れによるものだろう。


主に外需に向けた生産が続く

国内では消費増税の影響から脱し切れず、投資や消費は依然低迷。機械受注(船舶・電力を除く民需)は四半期ベースで見れば伸びているが、実質消費支出は12カ月減少が続き、新設住宅着工戸数も3月にようやくプラスに転じたばかり。一方、米国経済は減速が見られるものの依然堅調で外需は伸び、円安も重なって輸出は7カ月連続増大。

つまり現状では主として、内需よりも外需に対応するために、企業は生産を緩やかに伸ばしていると見るべきだ。


内需本格回復が増産のカギ

主要企業の今後の生産見通しを聞いた製造工業生産予測調査によると、4月は前月比2.1%上昇の見通し。電気機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械類などが引き続き海外受注を見込めるため、当面は回復に向けた動きになりそうだ。

ただ5月は0.3%低下を見込む。主力産業の自動車の在庫がまだ残り、1月に増産した分が完全には掃けておらず、生産を減らす見通し。このように、当面は増減を繰り返す可能性がある。

ただ中長期的には今のトレンドを維持し、企業の生産活動は緩やかに伸びていくのではないか。FRBの利上げで米国景気は減速する恐れがあり、中国も成長率が低下しているため、外需は縮小しかねない。

ただ消費増税の影響が薄れれば、内需が徐々に回復していく。景気ウォッチャー調査の先行き判断DIは、家計・企業動向関連いずれも、昨年12月から概ね上昇を持続。つまり、外需減速を内需改善で補うというように、今とは反対の流れで上昇ペースを持続することが考えられる。

不確定要因がある外需よりも、GDPに占める割合の大きい内需の力強い復活に基づき、生産が拡張していくことが望ましい。(ZUU online 編集部)

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