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(写真=Thinkstock/Getty Images)

円安の進行により、日本に生産拠点をシフトすべきかどうか、経営者の間で見解がわかれている。その理由は、円安がいつまで続くか見通せない上、生産拠点の移転は莫大なコストがかかるため、仮に戦略を誤ると巨額な損失が生じてしまうからだ。

2011年1ドル=75円台と最高値を記録した円の対米ドル相場も アベノミクスにより、足元では1ドル=117円前後で推移している。円安の進行で、ドルの価値が約1.5倍になり、円建てに対し、米ドルの場合、従来の3分の2の値段で買えることになる。しかし、現地生産で、ドル建てで行っている場合には、価格は全く変わらない。


高品質なMade in Japanは復活なるか

2008年のリーマンショック以降、欧州債務危機を経て、アベノミクスによる円安転換まで、超円高時代が続いた。この間、日本のメーカーを中心に、為替の影響を受けないよう現地生産を増やしてきた。ところが、最近の円安で現地生産のメリットが少なくなってきている。本来、日本のメーカーの強みは生産技術の高さと品質が売りである。家電なら「Made in Japan」を復活させるべく、日本国内での生産を再開することは意味がある。

円安が続くようであれば、「Made in Japan」製品を復活させて、高付加価値商品として世界に売り出す戦略も視野に入ってくるだろう。現に、キャノン <7751> は、新製品の生産を原則日本に戻し、パナソニック <6752> やシャープ <6753> も一部の生産を日本に戻すことを検討している。ただ、キャノンはもともと国内での生産にこだわりのある企業なので、円安だけが国内回帰の要因ではない。

一方、日産などは国内生産を拡充する姿勢を示しているが、円安による効果はわずかであるとして、可能な限り現地生産を追究する構えだ。あくまで長期的な視点で見て、為替の影響に一喜一憂することなく、現地生産で安定的に収益を上げることの方が重要だと考えているのだろう。