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(写真=Thinkstock/GettyImages)


フィラデルフィア・フライヤーズ

◆昨日は、主要通貨は小動きだった。ドル/円は米経済指標の予想比下振れと米利回り低下もあって、上昇が一服したが下値も限定的で、121円丁度前後に留まった。

◆本日は、日銀金融政策決定会合、ドイツIfo景況感指数、Draghi・ECB総裁発言、米コアCPI、Yellen・FRB議長発言などが予定されている。

◆ドル/円は、米コアCPIの下振れリスクが上値抑制要因となる一方、Yellen議長発言がタカ派的な内容となるかが注目されるなど、材料が強弱交錯しており121円丁度前後でもみ合いとなりそうだ。

◆ユーロは、ZEWに続きIfoも悪化したり、Draghi総裁が資産購入加速や利回り上昇牽制について姿勢を強めれば続落するが、逆にDraghi総裁が利回り上昇を牽制しない場合の反発リスクが大きい。


昨日までの世界:ドイツ利回りの再上昇が気がかり

ドル/円は、ややハト派的な内容ととらえられた前日公表のFOMC議事要旨後の流れを引き継ぎドルじり安となり、欧州時間にかけて121円を割り込んだ。その後121円台を回復していたが、NY時間入り後発表の米経済指標が軒並み市場予想を下回り、米中長期債利回りが低下基調となったことから、121円丁度近辺へ再度軟化した。

米経済指標では、新規失業保険申請件数が27.4万件と前週および市場予想を若干上回り、フィラデルフィア連銀製造業サーベイは6.7と予想に反して前月から悪化、中古住宅販売件数も504万件と前月および市場予想を大きく下回った。但し中古住宅販売は、前月が大きく増加していたことから、今回の減少でも基調が悪化したとまでは言えなそうだ。

ユーロ/ドルは、ドイツ10年債利回りが上昇し19日のCoeure・ECB理事発言前の水準を回復したことから、1.11ドル丁度前後から一時1.1181ドルへ上昇した。但しユーロ/ドル相場はCoeure理事発言前(1.13ドル)からは程遠い水準に留まっている。引けにかけては再び1.11ドル前半へ反落した。この間、ユーロ圏5月総合PMIは53.4と前月および市場予想を下回り2ヶ月連続で悪化、ZEWなどと合わせユーロ圏景況感のピークアウトが鮮明となってきている。

ユーロ/円も、134円台半ばから一時135.35円へ上昇した後、134円台半ばへ反落し横ばい圏内の動きとなった。

豪ドル/米ドルは、0.78ドル台後半で小動きとなった。中国5月HSBC製造業PMI速報値は49.1と、前月から改善し悪化基調が一服したが市場予想を小幅に下回るなど反応しにくい結果で、豪ドルは殆ど影響を受けなかった。豪ドル/円も、前日に続き95円台半ばでの横ばい推移となった。

南アランドは、南ア準銀(SARB)金融政策会合に向けて、利上げ期待からか10.2円程度から一時10.32円へ上昇したが、政策金利据え置き(5.75%)が伝わると元の水準へ反落した。


きょうの高慢な偏見:ドラギ鳩マジックは出るか

ドル/円は材料が交錯しており、本日も121円丁度前後で強い方向感は出なさそうだ。日銀決定会合では政策変更は予定されていないが、景気判断を上方修正する可能性が一部で報道されており円高要因となり得るほか、米4月コアCPIも、比較的連動性が高い既発表のコアPPIと同様に下振れする可能性があるなど(前月+1.8%、市場予想+1.7%)、上値抑制要因がある。他方で、Yellen議長発言で9月利上げ開始に消極的ではない姿勢が示されればドル下支え要因となる。

ユーロは、既発表のドイツZEW期待指数、ユーロ圏PMIと同様に、本日発表のドイツIfo景況感指数(特にこれを構成する現況、期待指数のうち期待指数)も予想比悪化すると、上値抑制要因となる(市場予想は前月108.6から108.3への小幅悪化)。ZEWと同様の悪化はサプライズではないが、ZEW発表日はCoeure理事発言を受けたユーロ安が大きく、ZEW悪化はあまり注目されていなかった。

更に、Draghi総裁発言(17:00)も予定されており、ECBが夏場の流動性低下の前に資産購入を加速、9月の買い増しの可能性を示唆したCoeure理事発言を更に詳細に説明したり、利回り上昇を強く牽制すれば、ユーロ安要因となる。但し逆に、資産購入加速や金利上昇抑制姿勢を示さないと、ドイツ利回りが再び上昇基調に戻り、ユーロを押し上げてしまうリスクがある。

豪ドルは、豪州側の材料がないため、米ドル材料(米コアCPI、Yellen議長発言)で上下しそうだ。但しバイアスは豪ドル安方向となっている。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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ほっと、一安心。
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