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(写真=Thinkstock/GettyImages)


先週の米国株式市場

■ダウ平均一時史上最高値更新も週間では小幅反落

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■先週の概況

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で小幅に下落した一方S&P500及びナスダック総合指数は小幅に上昇とまちまちでした。

週初はシカゴ連銀総裁の「FRBは年内の利上げを回避すべき」というハト派的な発言が好感されて上昇して始まり、ダウ平均は連日で史上最高値を更新しました。ただ、22日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで利上げの早期化が意識され株は売られました。

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米国株式市場バリュエーション

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業種別リターン

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ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング

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■上昇

ダウ平均採用の30銘柄中、上昇が14銘柄・下落が16銘柄となりました。アップル(AAPL)はモノ言う株主として有名なカール・アイカーン氏がさらなる株主還元を求める書簡を送ったことで、今後の株主還元への期待から週間で2.9%高となりました。

■下落

ウォルマート・ストアーズ(WMT)は2―4月期の決算が減収減益となり、週間で4%を超える大幅安となりました。マイクロソフト(MSFT)はセールスフォース・ドットコム(CRM)と買収価格が折り合わず買収交渉を断念したと報じられ売られました。また、シェブロン(CVX)やエクソン・モービル(XOM)原油価格の上昇一服となり下げています。


先週発表された主な経済指標

■FOMC議事要旨(4月開催分)

20日に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、「多くの参加者が次回6月のFOMCまでに利上げを決定できる経済データが揃うのは難しい」と考えていたことが明らかとなり、6月の利上げ可能性がほぼなくなりました。

ただ、22日に行なわれたイエレンFRB議長の講演で議長は「12月までに利上げすることが適切である。利上げのペースはゆっくりとなる可能性が高い」という主旨の発言を行っており、年内のFOMCの会合である7月・9月・10月・12月の会合で利上げが決定される可能性は依然として残されています。今後も利上げの時期とペースにマーケットの注目が集まる展開は続きそうです。

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今後発表される主な経済指標

■4月 新築住宅販売件数市場予想 48.1万件 前月 50.5万件

26日に4月の新築住宅販売件数が発表されます。戻りの鈍さが続く米国の住宅市場ですが、19日に発表された住宅市場の先行指標とされる住宅着工件数は市場予想を大きく上回って前月から大幅に改善、ドル高が進む要因となりました。

一方、21日に発表された中古住宅販売件数は市場予想を下回って前月から販売件数が鈍化と、住宅市場の指標は好悪まちまちといった様相です。

新築住宅販売件数は前月分がネガティブサプライズで大幅な販売鈍化となったこともあり、4月分で力強く回復できるか注目が集まります。

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マーケットビュー

■経済指標の発表を見極める展開

先週のマーケットビューではイエレンFRB議長のタカ派的発言に注意と記しました。議長は「利上げは年内に行なわれる可能性が高い」「利上げのペースはゆっくりとなる」という趣旨の発言を行いました。消費者物価指数(CPI)が市場予想比上振れたこともあり、利上げが警戒されてダウ平均は週間で小幅に下落しました。イエレン議長はマーケットが利上げ先送り期待を織り込むのを牽制したといったところでしょう。

先週発表された主要な経済指標の結果は以下の通りとなりました。住宅着工件数が市場予想比で大きく上振れし顕著な改善を見せるなど好材料もあったものの、やはり冴えない指標の発表が目立ちます。

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今週は耐久財受注、新築住宅販売件数、1―3月GDP改定値など重要指標の発表が続きます。良好な指標の発表が望ましいとはいえ、良好であればあるほど利上げが早まるとの思惑が高まる可能性があることから上値の重い展開を想定しています。

益嶋裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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