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(写真=Thinkstock/GettyImages)


今週の注目レポート・重要ニュース

■米国

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で小幅に下落した一方S&P500及びナスダック総合指数は小幅に上昇とまちまちでした。週の前半はシカゴ連銀総裁の「FRBは年内の利上げを回避すべき」というハト派的な発言が好感されて上昇して始まり、ダウ平均は連日で史上最高値を更新しました。ただ、22日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで利上げの早期化が意識され金曜日は売り優勢となりました。

■欧州

先週の欧州の主要株価指数は、ドイツのDAX指数が週間で367ポイント高となるなど反発しました。クーレECB理事が夏場に流動性が枯渇し購入が難しくなる前に、5月から6月にかけて量的緩和に伴う国債購入を加速させると発言したことが買い材料となりました。

ユーロ/ドルは、ギリシャ政府資金枯渇懸念が再浮上したほか、19日にはクーレ理事の発言を受けドイツ利回り急低下(10年債で0.1%ポイント程度)と共に下落、更に米経済指標の上振れも手伝って、週初の1.14ドル台から22日にかけて1.1002ドルの安値を付けました。

ユーロ/円もほぼ同様の動きとなり、週初に136.96円の高値を付けた後、22日に133.73円の安値を付けました。

■日本

先週の日本株式市場は日経平均が週間で531円高と上昇、連日で年初来高値を更新しました。22日には東証1部の時価総額が終値ベースでバブル期を更新しています。企業の決算発表シーズンが終わり、前期に続いて今期も史上最高益を更新する見通しとなるなど堅調な結果だったことに加え、米国の経済指標上振れによって円安ドル高が進んだことが好感されました。

ドル/円は19日に発表された米住宅着工件数や22日の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことなどでドルが買われ、一時121円台半ばまで円安ドル高が進みました。

■中国

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は約0.6%の上昇し上海総合指数は8.1%の上げとなりました。今後の金融緩和政策の発動への根強い期待に加えて国の年金保険基金(養老保険基金)の運用制度改革が6月末までに発表される可能性があるとの見方が広がったことが買い材料となりました。


グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)

■日本(前回から変更なし)

日銀は2%のインフレ目標達成時期を16年度前半へ後ずれさせつつも、景気やインフレに関する強気姿勢を維持しており、目先の追加緩和を示唆していません。

■米国(前回から変更なし)

4月末に開催されたFOMCでは景気認識が下方修正されましたが、冬場の鈍化は一時的との認識も示されました。最近発表の経済指標も、住宅着工など冬場の悪化を取り戻すものが見られ始めています。引き続き利上げ開始時期を巡って、今後の経済指標発表を受けて調整が続くものの明確なコンセンサスが形成されない状況が続くと考えられます。

■欧州(前回から変更なし)

ギリシャ支援問題については、6月末には現行の金融支援の枠組みの期限が到来します。ギリシャと債権者側との間の溝は埋まっていないようですが、それまでに進展があるか注意を払っておく必要があります。

ECBは国債を中心とする資産購入を当初の予定通り2016年9月まで継続、必要であれば購入を継続する姿勢を強調していますが、今のところ金利の急騰やユーロ高に対する強い懸念は示されていません。クーレECB理事発言も、購入時期の調整とみられ、購入ペースの恒久的な加速は示唆していないようです。

■新興国(前回から変更なし)

中国人民銀行による5月10日の追加利下げを受けて市場は一時的に好感しましたが、その後発表の主要経済指標はおおむね予想を下回っており、追加緩和や各種政策対応への期待が高まっています。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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