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(写真=Thinkstock/GettyImages)

◆昨日は、欧米の多くの国が休場だったため、主要通貨は総じて小動きだった。ドル/円も東京時間に上値トライの動きから一時121.78円を付けたが、概ね121円台半ばでの横ばいだった。

◆ユーロはギリシャ資金繰り問題やスペイン統一地方選結果が懸念されたようだが、ユーロ安は限定的だった。

◆本日は、米耐久財受注が注目で、住宅着工と同様に冬場の悪化を挽回するほど回復すれば、ドル全面高となりそうだ。この場合、ドル/円が上昇しても、ユーロ/円や豪ドル/円は下落し円高となるリスクがある。


昨日までの世界:ギリシャ、スペイン懸念でユーロ小幅安

ドル/円は、東京時間は先週末の米コアCPIの予想比上振れを受けたドル高基調を引き継ぎ、3月10日の年初来高値(122.03円)が視野に入る中で一時121.78円の高値をつけた。もっとも、多くの欧米市場が休場で新規材料に欠ける中、ドル買いが続かず反落、結局121円台半ばでの横ばい圏内の動きに終始した。

なお、本邦4月通関貿易収支は季節調整前で-534億円と予想比小幅な赤字に留まり、どちらかというと円高要因だったが、市場は現在のところ日本の貿易収支の改善傾向には殆ど関心を払っていない状況だ。

ユーロ/ドルは、1.10ドル丁度近辺から一時1.0959ドルへ小幅安となったが、主要通貨の中では最も変動率が大きかった。ギリシャ資金繰り問題やスペイン政治情勢が嫌気されたとみられるが、特に後者へのユーロの反応はこれまで同様、非常に限定的なものに留まっている。

ギリシャ問題では、ギリシャ政府報道官が6月5日に期限が到来する3億ユーロの対IMF債務につき返済資金が不足しており、債権者側との早期の合意の必要性を主張したことが悪材料となったようだ。

スペインでは24日実施の統一地方選で、与党国民党やもう一つの二大政党である社会労働党の支持率が低下した一方で、反財政緊縮政策を掲げる左派ポデモスが多くの地域で躍進と報道されており、政局不安定化や財政緊縮政策の揺らぎが懸念されたようだ。

ユーロ/円もユーロ/ドルとほぼ同様にじり安となり、133円台後半から一時133.26円へ下落した。

豪ドル/米ドルは、0.78ドル台前半で小動き、豪ドル/円も東京時間早朝に一時94.94円へ続落する局面がみられたが、概ね95円台前半で小動きだった。


きょうの高慢な偏見:ドル高で円高?

ドル/円は、耐久財受注が注目される。耐久財受注は、小売売上高、住宅着工件数と共に冬場に大きく悪化した経済指標の代表格であることから、住宅着工に続き耐久財受注も悪化前の水準に向けて明確な回復がみられれば、冬場の減速が一時的との見方と年内利上げ開始期待を強め、ドル下支え要因となりそうだ。

耐久財受注は昨年10月から悪化しており、昨年9月の水準を超えられるかが一つの目安となる。予想比大幅上振れとなれば、年初来高値(122.03円)上抜けが視野に入る。現在市場では、除く輸送用機器、コア資本財受注、同出荷いずれも前月比+0.3%と予想されている。

ユーロは、ドイツ10年債利回り動向やギリシャ支援問題関連のニュースに注意しつつ、米ドル動向に引っ張られそうで、米耐久財受注が明確な回復を示せばユーロ/ドルは続落しそうだ。

豪ドルも、米耐久財受注が明確な回復を示せば対米ドルで下落しそうだ。このところ、ドルの好材料に対してドル/円(上昇)よりもユーロ/ドルや豪ドル/米ドルの方が反応(下落)が大きいことから、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円は米国の好材料で下落する傾向がある。

本日の耐久財受注が上振れした場合も、ドル/円は上昇する一方、ユーロ/円や豪ドル/円は下落するリスクが大きい。これは、日銀が追加緩和姿勢を示していないこと、政府も円安歓迎姿勢を示していないことから、ドル材料を背景とした投機筋のドル買いが、ドル/円以外に向かい易いことを示唆している。

但しこうした状況が続くと、米国が利上げに向かう状況で、日本は対ドルでは小幅な円安を享受することになるが、対その他通貨では円高化することから、政財界がドル/円だけに注目して円安懸念を示していると、無意識の円高進行リスクが高まることになる。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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