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(写真=Thinkstock/GettyImages)

◆先週金曜は、注目された米1QGDP改定値は予想ほどの大きなマイナス成長とはならずドルが小反発したが、全体として市場の反応は限定的で、主要通貨は概ね小動きだった。

◆こうした中、ドル/円は123円台後半から124円乗せへじり高となったが、前日の直近高値(124.46円)には届かなかった。

◆他方、NZドルが利下げ期待の高まりを受けて対米ドル、対円共に1%近く下落した。

◆本日は、ドル関連では米コアPCEデフレータとISM製造業景況指数、ユーロ関連ではドイツCPI、豪ドル関連では中国製造業PMIと豪住宅建設許可件数が注目される。

◆ドル/円は出遅れているコアPCEデフレータの伸びが加速したり、ISM製造業が冬場の鈍化から予想以上に回復したりすれば、再度125円を試す展開となりそうだ。


昨日までの世界:米国の最悪期は過ぎ去ったか

ドル/円は、アジア時間から欧州時間にかけて概ね123円台後半で方向感なく推移した後、米1QGDP改定値が前期比年率で-0.7%と、想定通り速報値の+0.2%からマイナス成長へ下方修正されたが、市場予想(-0.9%)ほどの下方修正とならなかったことから、発表後にドルは小幅高となり124円台に乗せた。

その後、5月シカゴPMIが46.2と前月および市場予想(各々52.3、53.0)を下回ったことから123円台へ反落したが、月末のフィキシング(ロンドン午後4時)にかけてドル買い需要があったとみられ反発、その後も概ね124円台を維持して引けた。この間、5月ミシガン大消費者信頼感指数の改定値は90.7と速報および市場予想(各々88.6、89.5)を上回ったが、前月(95.9)には達せず、かつ米中長期債利回りは低下基調だったことから、ドル上昇余地が抑制されたようだ。

ユーロ/ドルは、G7財務相中銀総裁会合などでギリシャ問題に関する進展は特段報じられていないが、資金繰り面で5月末を乗り切り破綻を回避したとの見方からか、1.09ドル台半ばから1.1006ドルへ小幅高となった。ユーロ/円も、125円台後半から一時136.47円へ上昇し、5月18日につけた直近高値(136.96円)に近づいた。

豪ドル/米ドルは殆ど動かず、0.76ドル台半ばで横ばいだった。豪ドル/円も一時的に95円台に乗せる局面もあったが、概ね94円台後半で横ばい圏内の推移だった。

NZドルはニュージーランド5月ANZ企業景況感が前月の30.2から15.7へ大きく悪化したことなどから、6月11日のRBNZ金融政策決定に向けて利下げ期待が高まったとみられ、ニュージーランドの中長期債利回りの低下と共に下落、対円で89円丁度近辺から一時87.89円へ下落した89円丁度近辺から一時87.89円へ下落した(NZドル見通しについては 投資戦略テーマ「豪ドルとNZドル:ふたりの距離の概算」 もご参照下さい)。


きょうの高慢な偏見:OPTIM-ISM

ドル/円は、本邦当局からの円安牽制に留意しつつも、米経済指標が改善すればドル高主導で円安が進み易い状況が続いている。本日は米4月コアPCEデフレータと5月ISM製造業景況指数が発表予定で、前年比+1.3%で低迷が継続する見通しのコアPCEデフレータが加速したり、ISM製造業が冬場の鈍化から予想以上に回復したりすれば、再度125円を試す展開となりそうだ。市場では現在、ISM製造業景況指数につき、前月の51.5からわずか52.0への小幅改善しか予想されていない。

ユーロ関連では、ユーロ圏分に先行して発表されるドイツ5月CPIが注目で、市場予想では前月の前年比+0.3%から+0.6%へ大幅回復が予想されている。原油安一服が一因とみられるが、市場予想を上回る回復が示されると、ECB追加緩和期待の後退からドイツ10年債利回りとユーロの押上げ要因となりそうだ。

なお、ドイツCPIについては州毎のデータが午後4時以降五月雨式に公表され、特に最初に発表されるザクセン州分(前月:前年比ゼロ%、市場予想なし)の前月からの変化が大きいと、全国分の発表(21:00)を待たずにユーロが動き出す可能性がある。但し、米経済指標の改善を受けたドル高リスクもあるためユーロは対ドルで方向感がはっきりせず、ユーロ高見込みの場合はドル/円上昇の恩恵も受けるユーロ/円の方が妙味がありそうだ。

豪ドル/米ドルについては、中国5月製造業PMIと豪4月住宅建設許可件数が注目だが、中国PMIが50.3へ小幅改善が予想されている一方、豪建設許可は前月比でマイナスが予想されるなど、強弱まちまちとなりそうだ。但し豪ドル/米ドルの目先のトレンドは下方向で、下振れの場合の方が直近安値(0.7533ドル)を意識した売りが持ち込まれ易く、動きが大きくなりそうだ。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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