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(写真=Thinkstock/GettyImages)


やっと、春到来?

ISM製造業景況感指数 5月 52.8 市場予想 52.0 前月 51.5

■ほぼ底入れ確認となったISM製造業景況感指数

6月1日に発表されたISM製造業景況感指数は、52.8と前月の51.5から改善し、市場予想を上回った。昨年12月から今年3月まで4ヵ月連続で悪化し、4月は横ばいだったが5月分でようやく改善に転じた格好となった。

冬場の景況感悪化の要因としては、原油安に加えて悪天候や西海岸湾港でのストの影響などが指摘されていた。ただ、景況感悪化が一時的で徐々に持ち直しつつあることが示された(グラフ参照)。

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指数のヘッドラインを構成する内訳を見ても好内容だった。ISM製造業景況感指数のヘッドラインは、「新規受注」・「生産」・「在庫」・「雇用」・「入荷遅延」の5項目の単純平均で計算される。グラフに示したとおり、5月は「生産」を除く4項目が揃って前月から改善、中でも「新規受注」が53.5→55.8と2.3ポイント、「雇用」が48.3→51.7で3.4ポイントと前月から大きな改善を見せた。

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現在の米国株式市場の状況

現在の米国株式市場は、良好な経済指標が発表されると利上げの早期化が意識され、ドル高・株安が進みやすい状況にある。

6月1日の米国市場でも23時に発表されたISM製造業が市場予想を上回ると、発表前まで124円ちょうど程度で推移していたドル円が2時頃には124円90銭程度まで円安ドル高が進行した。また、発表前に70ドル高程度だったダウ平均は、指標発表後に上げ幅を縮めると23時20分頃に一時マイナスに転じて1万8000ドルの節目を割り込む場面もあった(グラフ参照)。

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本来、米国で利上げを行える経済状況が整ったということは、米国そして世界経済にとって望ましい。ただ、現在の米国株式市場は利上げの時期やペースが不透明なこと、またイエレンFRB議長やウォーレン・バフェットの「米国株が割高である」といった発言が意識されてか、利上げを織り込み切れていない。よってしばらくは良好な経済指標が発表されると、利上げが意識されて株が売られやすいという状況が続く可能性がある。

ただ、「米国の利上げで、どうなる、株価。」でご覧いただけるように、過去3回の利上げ局面を鑑みると利上げ後数ヶ月は株価が調整したものの、振り返ってみればその調整局面は買いのチャンスであった。

今後、米国経済が回復するにつれて企業収益も持ち直すと見られ、そうなれば米国株の割高感も薄れていくだろう。短期的に史上最高値を勢い良く更新するような状況にはないと見ているが、長期的視野にたてば将来に向けて買いのチャンスと言える局面ではないだろうか。


用語解説

■雇用統計(米国)

米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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