デフレ脱却
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年度の実質GDP成長率は+2.3%を予想する。コンセンサス(+1.8%程度)を上回る根拠は、実質総賃金の強い拡大による内需の拡大、輸出の堅調な回復、日銀の追加金融緩和である。これまでの原油価格下落による交易条件の改善も大きな後押しとなる。GDPデフレーターを押し上げる力がかなり強くなり、2015年度の名目GDP成長率は+3.9%とかなり強くなるだろう。

安倍首相は、2017年4月の消費税率引き上げまでに日本経済を確実にリフレイトするという決意と成長戦略の遂行を表明している。消費税率引き上げにより一時的に衰えたデフレ完全脱却に向けた動きは最加速していくと考える。

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物価については総賃金の拡大と円安の効果により、1%程度の物価上昇の中期的なトレンドは継続すると考える。短期的には原油価格の下落などによりこのトレンドを大きく下回ると考えられる。消費者物価指数(除く生鮮食品)前年同月比は、2015年半ばには一時的にマイナスになる可能性がある。2015年度の予想は+0.3%である(コンセンサスは+0.4%程度、日銀は+0.8%)。2015年後半からは物価上昇率は持ち直すと見られる。

しかし、その持ち直しが、日銀の目標である2%の安定的な上昇の早期達成のためには弱すぎ、期待インフレ率の低下のリスクがあることを確認し、10月に追加金融緩和が実施されると考える。

今は失業率が、1%程度の安定的な物価上昇率と整合的である自然失業率の水準(3.5%)を下回り、総賃金が強く拡大し、デフレ完全脱却を実感する局面にある。海外経済の堅調な回復と成長戦略の推進による更なる企業活動の回復が、この局面を一気に加速させることが、アベノミクスが成功するという予測の前提条件である。

デフレ完全脱却の達成は2016年になろう。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテジェネラル証券 東京支店 調査部 チーフエコノミスト

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