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(写真=Thinkstock/Getty Images)

5月米雇用統計を見ると、前月に続き冬場の不振から抜け出して拡大傾向が続いている。これを受けて利上げが前倒しされれば、金利上昇とドル高で内外需とも収縮する懸念が出てきて、労働市場にも悪影響を及ぼしかねない。


引き続き良好な雇用環境

米労働省発表の5月雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門雇用者数は前月から28万人増加。市場予想の22.5万人も上回り、雇用回復の目安とされる20万人を2カ月連続で超えた。

鉱業は原油安の影響で1.8万人減少し、年明けから5カ月続けて押し下げられている。ただ悪化が目立つのはその程度で、全体的に幅広い業種で改善が見られた。特に冬場の悪天候で低迷していたレジャー・接客業を含め、サービス業が4月の18.5万人増から5月は25.6万人増と加速し、全体の底上げに寄与。

こうした非農業部門を含め就業者数全体でも、0.1%増から0.2%増へと上げ幅が拡大。一方で、失業者数は0.3%減から1.5%増へと伸びており、その結果失業率も5.4%から5.5%と4カ月ぶりに悪化に転じてはいる。ただこれは、雇用情勢が後退したものとは言い難い。

平均時給が0.3%増と5カ月連続で伸びていて、労働参加率も62.9%と前月に続いて上昇している。つまり、企業が賃上げしてでも人材を確保したいと考えていて、そうした求人増を踏まえて求職活動を再開した人が増えており、その多くが調査時点で就職できていなかっただけであろう。現在の良好な雇用環境を考えると、その人たちが次回調査までに就職でき、来月は再び失業率が下がる可能性は十分ある。