アベノミクス,街角景気ウォッチャー,
(写真=PIXTA)

内閣府が発表した5月の景気ウォッチャー調査によると、3か月前に比べた現状の判断指数(DI)は53.3となり、好不調の分かれ目50を4カ月続けて上回った。

5月の景気ウォッチャー調査によると、現状・先行きともに好不調の節目50を依然超えてはいる。ただ現状判断は半年ぶりに低下し、先行き判断も減速気味。景況感に力強さが戻り、実際の消費や投資につながるまでには、まだ数カ月はかかるのではないだろうか。


現状の景況感は良いが力不足

内閣府も「緩やかな回復基調が続いている」として、基調判断を据え置いている。
ただ2月以降上げ幅が縮小してきており、当月も0.3ポイントのマイナス。つまり、現状の景況感は引き続き良いものの、足元では力強さに欠けているということだ。

円安による訪日観光客増、株高に基づく資産効果、ゴールデンウイークの好天候などで消費が促され、レジャー・施設関連を中心にサービス関連の景況感が改善した。医療・介護、建設を中心に人手不足が続いており、雇用関連のマインドも上向いてきている。ただ、円安による原材料の輸入価格上昇で、企業の景況感は悪化しており、これが主に全体を押し下げた。

大きな流れとしては景気回復に向かっていると考えて問題なさそうだが、その過程でやむを得ず生じるマイナス要因でマインドが停滞しているのではないか。


先行きも明るいがやや足踏み

2~3か月先の景気の先行きを表す判断指数は54.5で、横ばいの50を4カ月連続で超過。内閣府も「物価上昇への懸念等がみられるものの、夏のボーナス及び賃上げ、外国人観光需要への期待等がみられる」と概ね明るい見通しを立てている。

ただ3月以降上昇幅が1ポイントを下回っており、当月も0.3ポイントの伸びにとどまる。すなわち、先行きの景況感は光明が見えるものの、物足りなさが感じられる状態だ。

現状判断と同じく、インバウンド需要や資産効果が引き続き見込まれ、これに賃上げや夏のボーナスも加わり、消費増が期待できることから、家計関連のマインドが向上。また円安による輸出増への期待で製造業の景況感も引き続き良好だ。

ただ円安は燃料や資材などのコストアップにもなるため、非製造業の景況感は悪化している。雇用も求人増に対する求職者不足によるミスマッチなどから、6カ月ぶりに数値は下落。

内外需ともに増大が期待されて見通しは明るいものの、やはり不可避的に生まれる副作用で踊り場状態にあるといえよう。