韓国
(写真=PIXTA)

韓国の輸出に急ブレーキがかかっている。5ヵ月連続で輸出が減少しており、5月に至っては前月比10.9%もの減少を記録している。このような急激な輸出の落ち込みは世界的な金融危機発生直後の2009年8月以来およそ6年ぶりとなる。

今、韓国経済ではいったい何が起きているのだろうか。


不況型黒字が拡大

韓国の5月における輸出は、前年同月比10.9%減少で423億9,000万ドル。一方、輸入は、前年比15.3%減少で360億7,000万ドルであった。貿易収支黒字は63億2,000万ドルとなり、2012年2月から40カ月連続で黒字を記録している。ただし、輸出の減少率よりも輸入の減少率の方が大きい、いわゆる「不況型の黒字」となっている。

輸出減少の大きな要因は、米国と中国の景気回復がなかなか進まないことにあると考えられている。米国と中国の購買力が落ちていることが、輸出の減少に影響を与えているようだ。

主要品目の内訳を見ると、スマートフォンなどの無線通信機器が26.6%、コンピュータが22.3%、半導体が4.8%の輸出増となっている。一方、石油製品は40.0%、石油化学は22.8%、鉄鋼は19.2%、自動車は7.9%の輸出減となった。