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(写真=Thinkstock/GettyImages)

◆昨日は、米FOMCでFF金利予測やGDP予測が下方修正されたことから、年内に利上げが開始されるとの見方は変わらないものの将来の利上げペースがより緩慢なものになるとの見方が強まり、米2年債利回りの低下と共にドルが総じて下落した。

◆昨日は、前日の米FOMC後のドル安の余韻が続き、ドル/円は一時122.48円へ下落した。米コアCPIの予想比下振れもドル安要因だった。

◆ユーロは、ギリシャ支援プログラムの延長報道を受けて一時上昇したが、ドイツ政府が否定したことから反落している。

◆本日は、日銀決定会合、カナダのコアCPIおよび小売売上高が予定されている。日銀決定会合では黒田総裁発言について質問攻めに合う可能性があり、ヘッドラインで上下するかもしれないが、10日の発言の根本的な修正は行われない可能性が高く、ドル/円は再度122円方向を窺う展開となりそうだ。

◆ユーロは、ギリシャ問題に関して週明け22日にユーロ圏緊急首脳会合が開催されることになったが、週末の突発的リスクへの警戒から、週末を控えてユーロ安となるリスクがある。


昨日までの世界:米FOMCの余韻が続く

ドル/円は、前日のややタカ派度が後退したFOMC後のドル安の余韻が続き、米中長期債利回りの続落と共に、欧州時間にかけて123円割れとなった。そして米コアCPIが前年比+1.7%と前月および市場予想を下回ったこともあって、発表にかけて一時122.48円の安値をつけた。

もっとも、その後は米中長期債利回りが大きく反発したことから、一時123円乗せへ小反発して引けている。

ユーロ/ドルも米FOMCの余韻を受けたドル安に支えられたほか、EUがIMF抜きで現行の支援プログラムを今年末まで延長するとの独DieZeit紙報道も好感され、1.13ドル台半ばから一時1.1436ドルへ上昇した。もっとも、その後独政府が否定したことから、サイド.13ドル台半ばへ反落している。

ユーロ/円は140円丁度を挟んだもみ合いの展開となり、欧州時間に139.50円へ軟化したが、その後ユーロ/ドルの上昇につれて140.66円へ反発、但し引けにかけては再度140円を割り込んで引けた。

豪ドル/米ドルも、特段の個別材料はない中で欧州時間の全般的な米ドル高基調を受けて0.77ドル台前半から0.7849ドルへ上昇した。

豪ドル/円は、豪ドル/米ドル上昇の影響が大きく、NY時間にかけて一時96.31円へ上昇した。

NZドルは昨日早朝発表のNZ1QGDPが前期比+0.2%と市場予想(+0.6%)を大きく下回り、利下げ期待が更に高まったことから、対円で86円丁度近辺から一時84.72円へ急落した。通常は豪ドルもつれ安となることが多いが、今回は豪ドルへの影響は限定的だった。

ポンドは、欧州時間の米ドル安を受けて対ドルで続伸、1.58ドル台前半から一時1.5930ドルへ上昇した。この間、英5月コア小売売上高(除く燃料)は、前月比で+0.2%と予想外のプラスとなったが、前月分が下方修正されたことから必ずしも良好な内容ではなかった。

対円では、ドル/円の下落の影響が強く、朝方に195.84円へ続伸していたが欧州時間に一時194.35円へ下落した。但し引けにかけては195円台を回復している。


きょうの高慢な偏見:男に二言はない、中銀総裁に二言は?

ドル/円は、6月10日の黒田総裁発言前の水準である124円台半ばを上抜けできずに反落したことから、当面上値の重さが意識されそうだ。

ドル/円は日銀決定会合が注目で、政策変更は当面予定されていないが、6月10日の事実上の円安牽制発言について記者から質問攻めに合う可能性があり、ヘッドラインで上下しそうだ。既に16日の国会答弁でも示された通り、黒田総裁は10日の発言の根本的な修正を行わない可能性が高く、ドル/円は再び122円方向を窺う展開となりそうだ。

米日2年債金利格差との関係をみると、黒田総裁発言後に金利差拡大にも拘らず円高となっていたが、FOMC後は米日金利差がドル/円に追いついて縮小しており、「ファンダメンタルズに沿った」動きといえる。

ユーロ/ドルは、ギリシャ支援問題についてユーログループ会合での決着持ち越しは概ね予想通りだったが、週末の突発的なイベントリスク(資本規制発表、デフォルト宣言など)への警戒感が高まると、週末を控えてユーロ売りとなる可能性がありそうだ。

週明け22日にはユーロ圏の緊急首脳会合が開催される運びとなり、それを前に週末にもユーログループ会合が開催される可能性もあるが(ベルギー財務相発言報道)、ギリシャの銀行が週明け22日に営業できるか分からないとECB当局者が語ったとの報道もある。

豪ドル/米ドルは米FOMC後の米ドル安傾向の影響が強く堅調となっているが、引き続き米ドルの動向に左右されやすい状況となりそうだ。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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