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(写真=PIXTA)


今週の注目レポート・重要ニュース

■米国

先週の米国株式市場は、ダウ平均、S&P500、ナスダック総合指数の主要3指数が揃って上昇し、なかでもナスダック総合指数は史上最高値を更新しました。

ダウ平均が1万8000ドルを割り込み値ごろ感が出たことに加えて連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの今後のフェデラルファンド金利(政策金利)予測の中央値が、2016年・2017年について3月時点の発表よりも低下したことで、利上げペースがゆっくりとなることが意識され、買い先行となりました。

・米FOMC

16日から17日にかけて行なわれた連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通りフェデラルファンド金利は据え置きとなりました。

もっとも、FOMC参加者の今後のフェデラルファンド金利(政策金利)予想をまとめた通称「ドットチャート」における金利予想の中央値が、2015年末は0.625%と3月時点から変化がなかった一方で、2016年末の中央値が1.875%→1.625%へ、2017年末が3.125%→2.875%へそれぞれ低下した(グラフ参照)ことで「今後の利上げペースがゆっくりとなる」との思惑が高まり、マーケットは発表後に債券高(金利低下)・ドル安・株高という反応を見せました。

・米CPI

18日に発表された米消費者物価指数(CPI)は、変動の大きいエネルギーや食料を除いたコア指数が前年比1.7%の上昇と、市場予想および前月(いずれも1.8%の上昇)から伸びが鈍化しました。

・住宅関連指標

22日に中古住宅販売件数、23日に新築住宅販売件数と今週は5月分の住宅関連指標の発表が続きます。4月分の中古住宅販売件数は前月から販売件数が減少し、市場予想も下回ってネガティブ・サプライズとなっただけに、5月分の販売件数が前月から増加し、改善トレンドが持続しているかどうか注目されます。

・耐久財受注

23日に5月の耐久財受注が発表されます。4月の耐久財受注は前月比0.5%減と2ヶ月ぶりにマイナスとなったものの、除く輸送用機器が前月比0.5%増、設備投資の先行指標とされる非国防資本財受注は1.0%増と市場予想を大きく上回りました。5月分も除く輸送用機器や非国防資本財受注の堅調な回復が継続するのか注目されます。

■欧州

先週の欧州の主要な株価指数は、ドイツのDAX指数が週間で156ポイント下落、フランスのCAC40が85ポイント下落するなどそれぞれ4週続落となりました。ギリシャの債務返済期限が月末に迫りデフォルト可能性が高まりつつあることが株価の重石となりました。

ユーロ/ドルはギリシャ問題を受けながらも1.12ドル台で底堅く推移し、FOMCを受けたドル安やEUによるギリシャの支援パッケージが年末まで延長されるとの報道(のちにドイツ政府が否定)を受け、1.14ドル台まで上昇しました。

・ドイツZEW期待指数

16日に発表されたドイツのZEW景気期待指数は31.5と前月の41.9から大きく低下し、市場予想の37.3も下回りました。同指数の予想比下振れを受け、ドイツの10年債利回りが低下し、一時的にユーロ安が進みました。

・ユーロ圏財務相会合

18日に行なわれたユーロ圏財務相会合は、ギリシャ支援について合意に達しませんでした。IMFへの債務の支払期限および現行支援パッケージの交渉期限を6月末に控えるなかで、ギリシャで資本規制や預金引き出し規制が行なわれる可能性が高まっています。

・ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)

23日にユーロ圏製造業購買担当者景気指数が発表されます。市場予想は52.2と前月から横ばいとなっています。

■日本

先週の日本株式市場は日経平均が週間で232円安と3週続落となりました。6月初旬に一時125円台まで円安が進んだドル/円が122円台まで円高に振れたことなどが嫌気されました。

ドル/円は週前半に123円台半ばの狭いレンジ内での横ばい推移となりましたが、FOMCのタカ派的な結果を事前に織り込む動きからドルが上昇、17日には一時124円半ばまで円安が進みました。

結果的にFOMCでは先行きの利上げペースが緩やかになることが示されて全体としてタカ派度が弱まったと捉えられたことから、ドルは全般的に下落し18日にかけて122円半ばまで円高に振れました。

・訪日外国人客数

17日に発表された5月の訪日外国人客数は164.2万人と、前年同月比49.6%の大幅増となり5月としては過去最高を記録しました。単月としても4月の176.5万人に続く過去2番目の記録となっています。訪日客数のホテルやデパートなどの関連銘柄の業績への好影響は今後も続いていきそうです。

・日銀の金融政策決定会合

18日から19日にかけて行なわれた日銀の金融政策決定会合では、事前の予想通り金融政策の現状維持が決定されました。終了後の黒田総裁の記者会見では、6月10日の円安牽制とも取れる発言についての質問が出ましたが、目新しい回答はなかったことからマーケットの反応は限定的でした。

また、日銀は2016年から、従来年2回の公表だった「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を年4回の公表に、これまで年14回程度行なわれてきた金融政策決定会合を年8回の開催とすることなどをあわせて発表しました。

・全国消費者物価指数 前年同月比

26日に5月の全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。生鮮食料品を除いたコア指数は前年同月比横ばいと予想されています。

■中国

先週の中国株式市場は上海総合指数が週間で13%超の大幅下落となりました。年初からの大幅上昇でバブル化懸念が高まっており大型IPOに伴う需給悪化懸念などもあって大きく売られました。

・HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値

23日に6月のHSBC製造業購買担当者景気指数が発表されます。市場予想では49.5と前月の49.2から上昇すると予測されています。


グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)

■日本(前回から変更なし)

日銀は2%のインフレ目標達成時期を16年度前半へ後ずれさせつつも、景気やインフレに関する強気姿勢を維持しており、目先の追加緩和を示唆していません。更に、黒田総裁が6月10日にこれ以上の円安は考えにくいと発言したことで、円安をもたらす追加緩和を計画していないことも示唆されています。

■米国(先行きの利上げペースがより緩やかに)

6月18-19日にに開催されたFOMCでは、冬場の減速からの回復が確認され、FOMC参加者の2015年末のフェデラルファンド金利予測(中央値)が0.625%で維持され、年内の利上げ開始見通しを強める結果となりました。

もっとも、2016、17年のフェデラルファンド金利予測は小幅下方修正されたことから、先行きの利上げペースがより緩やかになるとの見方が示されました。利上げ開始時期を巡っては、9月との見方が多いですが、今後の経済指標発表を受けて思惑が振れる状況が続くと考えられます。

■欧州(前回から変更なし)

ギリシャ支援問題については、6月末に現行の金融支援の交渉期限および対IMF債務の返済期限も到来するものの、債権者側とギリシャ政府との間の歩み寄りは依然としてあまりみられておらず、資本規制導入やデフォルトリスクへの警戒が少しずつ高まっている状況です。

金融政策面では、ECBは国債を中心とする資産購入を当初の予定通り2016年9月まで継続、必要であれば購入を継続する姿勢を強調していますが、今のところ金利の急騰やユーロ高に対する強い懸念は示されていません。

■新興国(前回からの変更なし)

6月入り後に発表された中国主要経済指標では、固定資産投資の鈍化継続とインフレ率の更なる鈍化が示され、中国人民銀行による追加緩和や政府による各種景気刺激措置への期待が高まっています。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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