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(写真=PIXTA)

◆昨日は、ギリシャ支援問題についてギリシャが新提案を行ったことでようやく合意の可能性が高まったことを受けて、欧州を中心に株価が上昇、欧米利回りも上昇する中で、為替市場では米中古住宅販売の予想比上振れも手伝ってドルが対主要通貨で堅調となった。

◆ドル/円も、ギリシャ問題の進展の可能性を好感して米中長期債利回りと共に上昇、122円台後半から一時123.42円へ上昇した。

◆他方、ユーロは東京時間は小高くスタートし、欧州時間入りには欧州株高やギリシャを中心に欧州株や周縁国債券が上昇(周縁国利回りは低下)したにも拘らず、上値の重い展開だった。

◆この間、ギリシャ懸念の後退は新興国通貨の押し上げ要因となり、トルコリラ、ブラジルレアルや南アランドの対円での上昇が目立った。

◆本日は、中国HSBC製造業PMI速報値、ユーロ圏PMI、トルコ中銀金融政策決定、米耐久財受注および新築住宅販売件数などが予定されている。

もっとも重要なのは米耐久財受注で、前月は市場予想を上回ったものの水準的には冬場の悪化から殆ど回復していなかったことから、今回明確な回復を示せば、ギリシャ懸念の目先の後退と合わせて、米利回りとドルの押上げ材料となりそうだ。

◆但しドル/円は黒田発言以降、積極的な買い手が減少しているとみられる中で、持続的な124円乗せは難しそうだ。


昨日までの世界:ギリシャ期待で上がれたドル/円

ドル/円は、ギリシャ支援問題についてギリシャが新提案を行ったことでようやく合意の可能性が高まったことを受けて、早朝に123円乗せとなった。その後122円台へ軟化する局面もあったが、欧州時間入り後に合意への期待感の高まりを受けて欧州を中心に株価が上昇、欧米利回りも上昇する中で為替市場ではドル高が進行し、再び123円乗せとなった。

そしてその後発表の米中古住宅販売が535万件と前月および市場予想を大きく上回ったこともあって、米中長期債利回りの更なる上昇と共に一時123.42円へ続伸した。

22日にギリシャ政府が提出した新提案(21日に提出されていたが誤ったドラフトが送信されていた模様)に対して、ユーロ圏財務相会合および首脳会合で一定の進展が評価され、週内合意の可能性が高まり月末のデフォルトリスクが後退したかたちとなった。次回は25-26日のEU首脳会合が予定されているが、その前に24日にユーロ圏財務相会合が開催される運びとなった。

ユーロ/ドルは、週末21日にギリシャが新提案を行ったことを受けてユーロは東京時間から小高くスタートし一時1.14ドル台に乗せた。欧州時間入りには欧州株価やギリシャを中心とした周縁国債券が上昇(周縁国利回りは低下)したが、ユーロはむしろドル高の動きの中で反落し、1.13ドル丁度手前まで反落した。

その後ユーロ圏首脳会合に向けて再度1.14ドルを回復する局面も見られたが上値は重く、引けにかけては1.13ドル台前半へ反落した。

ユーロ/円は、ドル/円の堅調の影響が大きくどちらかというと強含みで推移し、139円台半ばから一時140.64円へ強含みとなった。

豪ドル/米ドルはギリシャ合意期待を受けてアジア時間は0.77ドル台後半で強含みで推移したが、欧州時間入り後は米ドル高の影響を強く受けたかたちで、0.7721ドルへ反落した。

豪ドル/円は、豪ドルと円が対米ドルでほぼ同程度の動きとなったことから、95円台半ばを挟んだ横這いの推移となった。


きょうの高慢な偏見:ギリシャ期待でも上がれないユーロ

ドル/円関連では米5月耐久財受注が最大の注目で、除く輸送用機器で前月比+0.5%の市場予想となっている。もっとも、冬場の大幅減少からの回復には大幅な予想比上振れが必要とみられ、そもそも振れが大きい統計だけに多少の上振れでは市場のドル買いでの反応は限定的に留まりそうだ。

特に、ドル/円では124円台に乗せると政府・日銀からの円安けん制発言への警戒感が高まり易く、積極的なドル買い円売りを行う投資家は減少しているとみられ、持続的な124円台乗せは難しそうだ。

ユーロ/ドルは、ギリシャの新提案とユーロ圏首脳会合を受けてギリシャ支援問題の週内合意の可能性が高まったことから目先のデフォルト懸念が後退しており、下支えされ易いはずだ。

但し昨日はギリシャ合意期待でも上昇しておらず、上値の重さも意識される。加えて、本日発表のユーロ圏各種PMIは総じて前月から悪化方向の予想(例えばユーロ圏コンポジットPMIは前月の53.6から53.5へ3か月連続の小幅悪化予想)となっているほか、米経済指標の回復からくるドル高圧力も作用すると、ユーロ/ドルの上値は限定的となりそうだ。

豪ドル関連では、中国6月HSBC製造業PMI速報値と鉄鉱石価格動向が注目となる。中国HSBC製造業PMIは前月の49.2から49.4へ小幅改善予想となっており豪ドルの下支え要因だが、先週以降鉄鉱石価格が再び下落方向となっていることが上値抑制要因となりそうで、明確な方向感が出なさそうだ。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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