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(写真=PIXTA)


先週の中国株式市場

■中国株 大幅下落 追加緩和期待の後退やIPO規制緩和などが相場の重石に

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■先週の概況

先週の中国株式市場は下落しました。ハンセン指数は週間で0.4%下落し、2万6,663ポイントで終了しています。また、上海総合指数は週間で6.4%下落し、4,192ポイントと大幅に続落しました。

先週の上海総合指数はHSBC中国製造業PMIの改善やIPO申請資金の返還を背景に、買い先行となったものの、追加緩和期待の後退やIPO規制緩和などが嫌気され、26日には売りが売りを呼ぶ展開となり7%を超える下げとなり、週間でも6%以上下落しました。

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中国株式市場バリュエーション

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業種別リターン

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香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

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■上昇

政府が銀行の貸出残高が預金残高の75%を超えてはならないとする預貸比率制限を撤廃する方針を決めたことから、今後融資に関する当局や銀行の裁量の余地が広がることが好感され、中国工商銀行 <1398> や交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーション、 <3328> )など中国の銀行株の一角が上昇しました。

また、国際原油価格が上昇したことを受けて、中国海洋石油(CNOOC、 <0883> )や昆侖能源(クンルン・エナジー、 <0135> )、中国石油天然気(ペトロチャイナ、 <0857> )が揃って堅調に推移しました。さらに、特段の材料はなかったものの、中国インターネット大手の騰訊(テンセント・ホールディングス、 <0700> )が週間で3%超上昇しました。

■下落

カジノ大手の金沙中国(サンズ・チャイナ、 <1928> )の下落率がトップとなり、週間で7%近く値下がりしています。同じくカジノ大手の銀河娯楽(ギャラクシー・エンターテインメント、 <0027> )も週間で5%近く下落しました。また、食品の中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、 <2319> )も週間で6%余り下げました。さらに、パソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ、 <0992> )も週間で約5%値下がりしました。


先週発表された主な経済指標

■6月23日 HSBC中国製造業PMI 6月 49.6 市場予想 49.4 前月 49.2

6月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.6と前月の49.2から改善し、市場予想の49.4を上回りました。好不況の分かれ目である50を下回ったことで製造業の厳しい状況が継続しているといえますが、5月上旬に行なわれた利下げが前月からの改善につながったと考えられます。

内訳をみると、雇用(48.7→46.8)は悪化した一方、新規受注(49.1→50.3)や生産(49.3→50)は小幅に改善し50を上回りました。

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今後発表される主な経済指標

■7月1日 中国製造業PMI 6月 市場予想 50.4 前月 50.2

政府発表の製造業PMIが日本時間7月1日の10時に発表される予定です。先週、発表されたHSBC中国製造業PMIは前月から若干改善しましたが、政府が集計するPMIも同様に改善がみられるかが注目されます。市場では50.4と前月からの小幅な上昇が予想されています。

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マーケットビュー

■中国株、強弱材料が混じるなかまちまちの展開か 中国製造業 PMIに注目

先週の本土市場では、上海総合指数が4日間で6.4%安と大幅に続落しました。休場明けはHSBCが発表した製造業PMI速報値が市場予想を上回って改善したことや、新規株式公開(IPO)による凍結資金の還流により需給懸念が後退したことなどが好感され、買い先行となりました。

ただ、25日に中国人民銀行(中央銀行)が約2カ月ぶりに短期金融市場での資金供給を実施したことや、中国人民銀行の意向をある程度反映しているとされている金融時報の「金融緩和は今後の経済指標次第だが、6月末までの追加緩和の可能性はかなり低い」との記事を受け、追加緩和期待が後退し下落に転じました。

加えて、26日に開催された「経済フォーラム」で証監会の肖鋼・主席が国内中小企業の(IPO)を規制緩和する(従来の「許可制」から「登録制」に変更)との発言を受けて、IPO増加により今後株式需給が悪化するとの懸念が広がりました。週後半には売りが売りを呼ぶ展開となり、上海総合指数は25日と26日の二日間で1割以上の下落となりました。

今週の本土市場は追加の金融緩和などを受けて下げ渋るスタートが予想されます。中国人民銀行は27日、28日から貸出金利(期間1年)を0.25%下げて4.85%、預金金利も0.25%下げて2.00%とすると決めたほか、農業向けや零細企業向け融資が一定の基準を満たす一部の銀行について、強制的に預かる資金の比率である預金準備率を0.50%引き下げるなど、追加の金融緩和を決定しました。

また、中国の年金基金が株式への投資案が発表されるとの観測も支援材料となりそうです。ただ、中国政府による信用取引への規制や、今週金曜日(7月3日)に予定されている10社のIPOによる需給悪化も懸念され、反発となっても上値は限定的と考えられます。

先週の香港市場ではハンセン指数が1週間で0.4%安と小幅に続落しました。週前半はギリシャ支援協議の進展期待やHSBC中国製造業PMIの改善を背景に、ハンセン指数は堅調に推移し、24日に2万7,500ポイント近くまで上昇する場面もありました。

ただ、その後はギリシャ問題の不透明化や本土株の下落を嫌気して下げに転じると、中国の追加金融緩和期待が後退したことも相場の重石となり、中国本土の株式市場が急落するなか1週間ぶりに節目の2万7,000ポイントを割り込んで取引を終えました。

ギリシャ協議の決裂や、資本規制導入、デフォルトリスクの高まりなどを背景に、今週のハンセン指数は軟調な展開となりそうです。ただ、中国の追加金融緩和が支えなるほか、ボリンジャーバンドやRSIなどのテクニカル指標に軒並み売られすぎのシグナルが出ていることから、下げ渋ると反発も期待できそうです。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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